2010. 10. 12  
昨日の「フェイク」という言葉は、「偽物」と訳されるが、先日イチローが(毎度イチローの例で恐縮だが、、、)あるドーム球場で(その球場の天井は、なぜか白いらしい)外野フライを受けようとした時、一瞬ボールを見失ったような動作をした。これは以前にも話した攻撃側のランナーのタッチアップのタイミングを狂わす為のものと一緒だと思われるが、記者があとで「あれは本当に見失ったの?」と質問したところ、彼は「あれはフェイクでしょう。私がボールを見失うことはないよ」と言ったとか。
この時の「フェイク」は『特定動作をするふりをする』という意味で使われたものと思う。

これとほぼ同義語として使われるのが、「フェイント」であり、球技・格闘技などで、相手を惑わせるためにする動作である。

この「フェイント」、ラグビーで言えば、「自分が右へ行くとみせるため身体と顔をそちらに向け、但し実際はまっすぐ走って抜く」或いはボールを持っている際に、「パスをするふりをし、つられて相手が動いた際に、まっすぐ走って相手を抜く(これはパスダミーとも言われる)」ことであるが、最近は前者の「フェイント」をするプレーヤーが少ない。
フィジーや、サモアのラグビープレーヤーはアタックでは当然、ディフェンスでもフェイントを使って、敵を追い詰める。

さらに、他に抜く仕掛けとして「デコイ」すなわち「囮・おとり」を使う方法、或いは「エキストラマン・通常のラインに余分に入ってくる人」を使う方法などが、
よく行われている。

だから、このような方法を駆使して「敵と駆け引き」をするというのは、大変重要であるが、これらをあまりに複雑に組み合わせてやることは、得策ではない。
というのは、「ラグビーは数の勝負」とも言われており、例えば「デコイにクロスするプレーヤーを入れる」ということは、その一人分、 サポートをする人数を自ら減らすことになるし、「ダブルクロスをしてなんて、複雑なことを考えていれば、ちょっとポイントでのボール出しのタイミングが違って来ただけで、出来なくなってしまう」

故に、私の推奨策は「フェイントで、ディフェンスをずらして立ってられたところへ、予めそうすると連絡しておいた味方が寄ってガットで抜き去る」といった「単純で、力強く、かつミスが起こり得ない」ことで、攻撃を組み立てるべきであるということである。
「フェイントの効用」まだまだ、見直す必要があるのではないだろうか?

なお、余談をひとつ、イチローつながりで、今季阪神のマートンが、イチローの日本記録「210安打」を塗り替えた。彼は「イチローは130試合での記録だから、自分の144試合での214安打は及ばない」と謙遜しているらしい。
しかし、彼の素晴らしいところは、「敵のピッチャーとの対戦経験を、事細かにノートに書き記し、バッターボックスに入る直前に、必ず読み返した」ということである。
すなわち、「自分の経験をもとに、敵と駆け引きをする」まさにどのスポーツでも重要なことを、きっちりやっていたからの記録であり、「意図を持った努力なくして、結果は出ない」ということの実例であろう。
見習いたいものである。
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プロフィール

Yokoi Akira

Author:Yokoi Akira
横井章(よこいあきら)

ラグビークリエイター
現役時代は左CTB、ジャパン10年で17キャップ
    (当時は、キャップ対象試合が少なかった)

1968年、オールブラックス・ジュニアに勝利
1970年以降5シーズン日本代表の主将を務める
    (いまだに、歴代最長記録)
1973年、英仏遠征、日本ラグビー史上初の海外
     テストマッチ、当時世界最強のウェールズ
     と対戦、写真は、その時の幻のトライ
2000年、現場に戻り、100数チームにアドバイス

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