2014. 05. 23  
私が50数年前に、早稲田大学へ入った時、ど素人の私にラグビーの基本を伝授してくれたのは、4年生であった。

たとえば「走り方腰を落として、一歩一歩に重心を移動し、どちらの足からでも変化出来るように走れ」その練習としては、「直線を縦に引いて、その上を足が線から外れないように、腰を落として走る」。
また、その「走り出し止まる」は、低い姿勢で、短い距離、長い距離両方のシャトルラン。「方向を変える」には、例えば「左右への変化が出来るようには、右へ跳んで片足に重心を移動し、今度は左へ跳んでと繰り返し、その動作に必要な筋肉を鍛え、またその動作の感触を自分でも確かめながらやっていく」というものであった。

また、「走るコースの取り方」としては、まず、タッチラインと、ゴールラインを意識して(実際にラインが引いてなくても、、、)、グランドを「一番長い方向の斜めに使って(斜めに走るのではない)、 そして、 低い姿勢で、真っ直ぐに(ゴールに直角タッチに平行3m走り、3m走ったところで今度は真横
ゴールに平行に、上半身前を向き足の運びはスピードスケートのコーナーを回るみたいにクロスしながら)に走る、また3m走ったところで真っ直ぐ(ゴールに直角)に走る、と繰り返す。当然マーカーなどはなくて、目線上半身は前を向いたまま、「真っ直ぐ走るとは、横に走るとは、、、」を、この「カギカタ走り」で訓練し、頭から指令を出さずとも、身体が自然にそう動くように、身体に覚えさせていくのである。

それじゃ、それらのことを、何時やるのか?「いまでしょ」という程、簡単にはいかないのである。()こんな基本技術でも、3~6ヶ月繰り返し、自分で反復練習して、習得したのである。、
当時は、「14時30分練習開始」となれば、大学の1年生は、授業は午前中までのものを選択し、昼飯を食べた後は、チームの練習準備も兼ね、12時過ぎにはグランドに出る。そしてチーム練習が終わった18~18時30分の後も、片付けなどもやって、風呂に入れるのは20~21時なんてことは、ざらであったのである。
逆に言えば、グランドに毎日8~9時間居るという時間があり、その中の個人練習で、上級生に教えられたことを自分なりに考えて実行し、基礎的な身体能力を伸ばすとともに、スキルを身につける時間を、自分でつくれたのである。

さらにまた、1年生はチーム練習中も上級生スキルの習得につき、常に細かいところまでのチェックをしもらえたので、その現場で、すぐに修正
出来たのである。 時には、「ボールの磨き方が悪い」などのチェックも入り、「グランド回りやら、前記のグランドを斜めに使ったカギカタ走り」などがとして与えられる・いわば「シボリ」も行われていたのであるが、私は「基本のことをある程度強制的に、繰り返し行う」という意味では、あってもよいと思った方で、但し耐久性を鍛えるグランド回りは、「短い距離だけを走って休めるCTBには必要ない」と思えば、「グランド回りのシボリ」は適当に付き合っていただけというように()、こういう一種のイジメにも、自分の判断で対応
出来ていたという「 精神面での成熟」もあったということか?

即ち、当時の早稲田には、ラグビーの基本プレーを身をもって、四六時中教えられる上級生が居たという事実が、 何十年も連綿と続いていたという「教えることが出来る人間が居て、またイジメとも感じずに教えて貰う人間が居た」という環境、また種々のスキルを教えようと思えば、それにかかわる時間を、何時間でも確保することが出来たという「教えることが出来る時間」の環境があったのである。

ところで、25日は京都ラグビー際、伏見中、京都成章高、帝京大となじみのチームが揃うので、久しぶりに観戦にいくか?見かけたら、質問でもしてください。


関連記事
スポンサーサイト
NEXT Entry
⑨:日本オリジナルとは
NEW Topics
㊶:ラグビージャパンの足跡
㊵:ラグビージャパンの足跡
㊴:ラグビージャパンの足跡
タッチラグビー日本代表大活躍
㊳:ラグビージャパンの足跡
Comment
ランニングの基本を実際に行ってみました
いつも拝読しております。 現在58歳です。35年前までプレイヤ―のでした。ラグビーをすることはありませんが、この10年ほどマラソンをしております。 現役の時は利き足が右でがに股、ひざが外に開いておりそのためのプレーの限界を自覚していました。現在も似たようなものです。横井様の今回の記事を拝見し、いつものランニングコースには20cm程のセンターラインが引かれてあり、この線上を両足がはみ出さないように正面前方を見ながら2.5km走ってみました。大変きつかったです。100mごとに表示がありますので歩数を数えてみるといつもと同じピッチでも、1~2歩減少していました。 大変参考になりました。 この数年、タイムが歳とともに伸びなかったのですが、 今後もこの練習を継続してみようと思います。 元全日本ウィング伊藤選手の走り方がとても美しかったことが走りながら思い出されました。 今後もご活躍をご期待いたします。
Trackback
Comment form
 管理者にだけ表示を許可する
プロフィール

Yokoi Akira

Author:Yokoi Akira
横井章(よこいあきら)

ラグビークリエイター
現役時代は左CTB、ジャパン10年で17キャップ
    (当時は、キャップ対象試合が少なかった)

1968年、オールブラックス・ジュニアに勝利
1970年以降5シーズン日本代表の主将を務める
    (いまだに、歴代最長記録)
1973年、英仏遠征、日本ラグビー史上初の海外
     テストマッチ、当時世界最強のウェールズ
     と対戦、写真は、その時の幻のトライ
2000年、現場に戻り、100数チームにアドバイス

最新トラックバック
カテゴリ
検索フォーム
QRコード
QR