2014. 06. 11  
現在、日本ラグビー現場問題である「日本オリジナルなラグビーを教えられる指導者が少ない」、また「意図を持った、緻密な動き基礎から積み上げ習熟させる時間がない」という場合に、そのような日本オリジナルなスキルを、いまのプレーヤーに植え付けられるのは、可能かどうか
今のままで不可能なら、上記の課題をどのように、克服すれば良いのか?
について、熟慮する必要があるのではなかろうか。

まずは「日本オリジナルプレーを教えられる人少ない、どのように伝えて行けばよいのか?」のことについての課題は如何?
ラグビー指導者には、広い知識と、それを使って、問題を摘出、そして問題解決策にたどり着く知性が求められるので、いままで日本人はどのようなやり方をしてきたのか、またどのような思考傾向を持っていたのかも、勉強する必要があるのではなかろうか。

日本人の「技術の伝え方」は、日本のモノづくり伝統技術、或いは、日本の演芸武道などで「守、破、離」という伝え方(このことについては、必要なら別途勉強して下さい、情報はあるのだから自分で探し、吸収できる努力をすべきだから、敢えて説明しません)が、主に行われて来た。
また、もう少し近い時代では、山本五十六語録の「やってみせ言って聞かせてさせてみてほめてやらねば人は動かじ」というやり方があった。
即ち、日本人は「農耕民族」、毎年同じことを、但し状況の変化に対応しながら、より良いもの改善していくという「文化」があったのではないか?

欧米狩猟民族のごとく、シチュエーションイメージしたジェネラルスキル保持しながら、状況に応じ、そのどれを適用しようとするか、即座に判断して行動するということには、慣れていない面があるのではないか?

江戸時代の鎖国から開国して、西洋文化を取り入れた際も、まさにそれで、「模倣から入るが、その技術を理解するや、それを発展させ、さらに欧米の追随を許さない日本オリジナル優れたものにまで昇華させる」ということが得意で、さまざまなところで、その優秀さを示してきたのではないか。

最新では、今まで医療現場では、人工関節外国でつくられたものが9割以上も使われていたという。しかし、日本の「船のプロペラの鏡面をつくる技術と形状の変更」で、日本人特有の動作・胡坐(アグラ)がかける上等な人工関節がつくれるようになっている、というような「取り入れ方」を、参考にしなければならないのではないか。
現代メディアの「自虐的な日本人観」に、惑わされることなく、そういうことが出来る日本人の優秀さに、大いに誇りを持つべきではないのか。

スポーツで言うと、男子サッカーが「ベルリンの奇跡」、1936年ベルリンオリンピックのサッカー競技で、日本代表が、当時の強豪スウェーデン代表を「細かいパスをつなぐ・日本オリジナルな戦術」で破った。
ラグビーでは、1968年全日本が、敵地でオールブラックスジュニアを「考えられない程前に出る守備カンペイ攻撃」で、撃破した。
しかし、いまのラグビー現場では「日本のオリジナルは消え失せ、最新の外国方式の模倣段階の域」を脱していないのではないか?

当然ルールも変わり、日本人の身体、身体能力も変わっているのだから「最新の外国方式を取り入れてはいけない」と言っているのではなく、取り入れるにしても、日本人の考え方にそった、日本人に合った形取り入れ、それをさらに日本独自のものに発展させる必要があるのではないかと言いたいのである。
また、誤解してもらっては困るが「人種差別的に日本人オンリー」と言っているのでもない、小さい時から日本で育ち、あるいは物心(モノゴコロ)ついた頃から日本文化のもとで暮らし、それらをよく理解できている人も沢山出て来ておられることでもあり、要は日本人と同じような思考回路行動様式を有し、ラグビーの場でも同化してもらえるなら、結構なことではなかろうか。

ただ、種々のチームでの外人コーチの練習といえば、何時何処の場所でやるか分からない「ジェネラル3対2」を、FWと、BKで一緒にやらせる。
しかし、その練習をやった日本人プレーヤーは、実際のゲームになると、
そのプレーを何時、何処で選択するかイメージ出来ないまま、使えないということが起こる。即ち、思考回路と、行動様式が違うのではないだろうか?

なお、最近は少々進歩させて、を決めた「シェイプ」というようなことも行われるようになったが、これとても、 日本人プレーヤーのFWとBKが、全く同じ
ように動き、同じレベルで、「パスキャッチ、敵をズラスツナグ」などのスキルが出来るようにすることは、現在のラグビー環境(教えられる人材が少ない、長時間かけて基礎スキルから教える時間がない)では難しいと考えられ、先のカナダ戦のジャパンのように、まず「突破はBKの役割と考えて、BKだけの短いフェイズで、トライを狙えるところから、トライをする」ことに拘るというような、さらなる独自の工夫が、必要なのではなかろうか?

要は「小が大を倒すには、小の特長を生かして、独自の考え方、やり方で対抗すること」を、追及し続けることが、重要ではないだろうか?
指導者・皆さんの、ご賢察を待ちたいものである。

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プロフィール

Yokoi Akira

Author:Yokoi Akira
横井章(よこいあきら)

ラグビークリエイター
現役時代は左CTB、ジャパン10年で17キャップ
    (当時は、キャップ対象試合が少なかった)

1968年、オールブラックス・ジュニアに勝利
1970年以降5シーズン日本代表の主将を務める
    (いまだに、歴代最長記録)
1973年、英仏遠征、日本ラグビー史上初の海外
     テストマッチ、当時世界最強のウェールズ
     と対戦、写真は、その時の幻のトライ
2000年、現場に戻り、100数チームにアドバイス

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