2014. 12. 07  
2010.7.15 何が問題か、考えよう
このブログ開設以来、急速にアクセスが増えているようで、感謝しております。また、 コメントの中に「小さい時に、ラグビーをどのように教えれば良いか?」「他のスポーツからラグビーに転向するのはどう思うか?」などの質問があったので、今日は、皆さんと一緒に考えたいと思います。

その前に、私のささやかな体験を2~3、お話すると、、、

私は常々「ラグビーは全知全能、全身体を使うスポーツなので、いろいろなスポーツを経験した後、その経験を全部使って、一番最後にやるスポーツ」だと思っていて、昨今のようにラグビースクールで、それも日本の草の広場がない環境上、砂利交じりの土の上でやらせるのは、「痛い、汚い、怖い」といった「ラグビーへのマイナスイメージを植え付けるばかりで」良くないし、またそういったところで子供がやると、例えばディフェンスの人間が見えただけで本能的にボールを片手で持って、片手で身をかばおうとする「15人制ラグビーでは悪い癖」がつく、こういうことから、小さい時から「ラグビーバカ」をつくるのは「どうかなー」と思っていた。

ところがである、ある時、兵庫県の報徳高校で毎年県内のラグビースクール生を集めた「フェスティバル」があるというので行ってみて驚いた。なんと2000人近いスクール生が集まって、シューズから、ジャージまで揃えて、また親もついて来てやっていたのである。「みんな金かけているんやねー」と言ったら「横井さん、野球や、サッカーに比べたら一番安いんですよ」と言われ、また「なんで、こんだけラグビーやって盛んやのに、ラグビー人口が減ってるんやろう?」と言ったら「いや、兵庫県の公立中学校には、ラグビー部がひとつもなくて、困っているんです」と聞いて、さらに現実を知らなかったことを思い知らされた。

また、現場に帰った時、悪い癖がついてしまっている社会人に教えても仕方がないし、そうかと言って「わけのわからない少年を教えても、、」と、家の近くの京都成章高から始め、2年後に関西学院大、その2年後に近鉄と各レベルを見て回ったのであるが、その後やはり、更に下のレベルから、「悪い癖がつく前にやらないと、、」と、近くの京都の中学校にもアドバイスに行った。「授業が15時30分に終わるので、16時過ぎに来て下さい」と言われ、行くと16時10分にスタイルして揃ったので、話をしようと思ったら「横井さん16時45分には終わらないといけないので、急いでお願いします」と言われて、びっくりした。即ち、都会でさえ、或いは都会だからか、下校時の生徒の安全のため17時には下校すると決まっていたのである。こんな状況で「部活動」が出来るわけがない。

即ち、上記のスクール生の状況も含め、「今の子供は安心して遊ぶ場所がないんだ、なんとかわいそうな世の中になってしまったのか?」ということに、唖然としたのである。

さらに、九州の久住で(ここは民間の施設で、芝のグランドが2面あり、宿泊施設も安い料金で整い、素晴らし環境である。こんなところがもっと沢山、それも行政が中心となって創るべきだと思う)九州、近畿の高校チームが10校ほど集まって、朝の朝礼(共同生活や、ラグビー生活について、きっちり教えている。昨今高校の九州勢が強いのは、こんなこともあるのでは、、、)をして、「さー、次は準備体操、広がれー」となったが、生徒達の反応の遅いこと、遅いこと、、、即ち、昔なら常識であった「前後左右の距離を取って体制をつくる」という事が体育の授業でも、教えられていない学校が少なくないというのだ。さらに、少数だと思うが(当然久住に集まった学校はそうではないが、、、)もっとひどいところでは、「体育の時間?怪我をしないよう遊んでおきなさい」という学校もあるとか、、、

また、今年の全国高校選抜ラグビー大会の、出場校選手名簿を見ると、あの強豪の「仙台育英高や、大分舞鶴高」の選手名が25人に満たないのである。当然、高校でラグビー部活動をやっていた1500以上あったチームが、800以下になっているという現実(ちょっと表現は正確でないかもしれないが、、、)これらをどう考えるのか?「指導者不足」「怪我の問題、怪我が起こった際の補償の問題」はたまた「自分の子供をゲームに出せとか、怪我をどうしてくれるかとねじ込むモンスター親の問題」

即ち、これは昔からだが、教育における「体育、スポーツの意義」という評価が本当に低いのである。また記憶中心の教育で知識をつけるのは結構だが、実際の人生の瞬間、瞬間では「今自分には何が問題かという問題摘出能力」が求められ、そして問題が分かれば、知識も動員するが、しかし重要なのは「問題解決能力・経験に基く知恵」を発揮することである。ひるがえって考えて欲しい、このことを実際訓練できるのは何か?まさにスポーツのゲームは、毎試合これをやっているのである。中でもラグビーは止まることが少なく、瞬時に状況を判断して行動するという事を繰り返しているわけであり、いわば「人生を何回もやっている」ことであり。反対に「ラグビーでやれたことは、必ずその後の自分の人生で使える経験なのである」ということからすれば、もっとスポーツの振興を掲げるべきであるということに、なぜ考えが至らないのか。

以上、いろいろ考えると、軽々に「それはこうすれば、、、」なんて言える問題でないこと、或いはこれらはラグビー界だけでは、解決し得ない、「みんなで考え、みんなで正して行かなければいけない問題」だと、感じて貰ったと思う。
私も10年前は、外から見た時「なんて下手なラグビーにやってるのか?」と思って、「こりゃちょっと正しいラグビーを教えればと、、、」思って現場に戻ったわけだが、やって行く中で、この現実の問題にぶつかるごとに、ほんとにびっくりした。まさに「踊る大捜査線」じゃないが、「事件は会議室で起こっているんじゃない、現場で起こっているんだ」の絶叫が聞こえるのである。

そうかといって、自分だけでは出来ないから何にもしないのでなくて、自分だけでも出来ることから「どう始めれば良いのか?」を考えて続けて、ここまで来ているのであり、更に多くの人々の力も借りたいと思い、このブログを開設したのであります。
故に「皆さん方も、本当に考えて欲しい」そして、この「魅力ある日本オリジナルラグビーの創造運動」に限りないご支援を賜りたいと願うばかりであり、おこがましいようだが、この運動を通じてラグビーのみならず、「世直しの一環をも担うつもりで」頑張ろうではありませんか。

この議論の続きは、また明日、、、
この文章が長くなったので、約束の第4章は、次の記事として分けて載せることにします。よろしく、、、

横井感想:イヤー、ラグビーの現場に出てみて、なんと多くの問題があるのだと、本当に驚いた。そして、それらひとつひとつを現場指導者と一緒に考え、そのチームに則した対策をアドバイスしたが、それを現場で精根込めてプレーヤーに落とし込んだのは現場指導者、彼らの頑張りによってチームの成果があがり、それがひいては、「日本オリジナルラグビーの創造運動」の啓蒙となって、いささかでも「日本ラグビーの変革」に寄与出来たことに関しては、ただただ感謝するばかりであります。


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プロフィール

Yokoi Akira

Author:Yokoi Akira
横井章(よこいあきら)

ラグビークリエイター
現役時代は左CTB、ジャパン10年で17キャップ
    (当時は、キャップ対象試合が少なかった)

1968年、オールブラックス・ジュニアに勝利
1970年以降5シーズン日本代表の主将を務める
    (いまだに、歴代最長記録)
1973年、英仏遠征、日本ラグビー史上初の海外
     テストマッチ、当時世界最強のウェールズ
     と対戦、写真は、その時の幻のトライ
2000年、現場に戻り、100数チームにアドバイス

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