2015. 03. 09  
2010.7.29一番の問題は、落とし込み
最後に、「日本のラグビーを考えるⅤ」、第4章を載せよう。

前回まで、「ゲームをどのように創るか?」について、述べてきたが、一番の問題は、「これどうや」と、何かを提案しても、「別に」と答える「今の若者」に、どう落とし込むのか?これこそが、大問題なのである。

4、このような戦い方を、どのようにプレーヤーに徹底するのか?

ユニオンラグビーは、15人制という多くの人数で、しかも、反則やミスがなければ、ずっと継続されるチームゲームである。
そして、シチュエーションが違えば、正解までもが変わってくる状況のもとで、グランドに居る15人の内、どれだけの人数が、同じ選択肢を取る判断をし、協力して実行できるかによって、その結果が変わってくる。

すなわち、幾多のシチュエーションのどの時に、どういうことを、 チームとしてやるべきなのか、チーム全員が理解をし、それを練習におろし、全員が同じレベルでやれるように、しなければならない。

例えば、前へそろって出るディフェンスをしようとしても、メンバー1人がケガをして替わって出るプレーヤーのレベルが下がった時、或いは2次ディフェンスで、FWとBKが混じらざるを得なくなった時は、一番遅いプレーヤーに合わさなければならず、チームのレベルはそこで決まってしまう。
またアタックでも同じで、例えばキックで陣地を取ろうと思っても、キック力がある選手を育てなければ、その戦法を確実に行なえない。

すなわち、チームとしての戦術を実行するために、「全員が備えなければならないスキルレベルは何か」ということと、「そのポジションごとに備えなければならないスキルレベルは何か」 を明確にして、どれくらい掛って準備出来るのか?考えなければならない。

高校や大学など、毎年プレーヤーが入れ替わっていくところでは、また、「鍛えるのに、どれくらいかかるのか?」から、「何年計画で」とか、「1年の時に、これをクリアさせておくために別メニューで、、、」とかも、考える必要がある。
そして、常に「目標」と「目標を達成するための戦術」と「その戦術を達成できる陣容と、 スキルレベルの鍛錬」との間に整合性があるか、見定めないと、結局は「絵に描いた餅」に終わってしまう。

ということは、目標を持って試合に臨むには、大変な作業が必要なのである。そしてそれをプレーヤーに理解させ、実行させるという為には、さらに、 工夫と徹底が必要なのである。

例えば、「敵陣へはキックで入ろう」というゲームマネージメントにしたとしょう、そんな時、必ず「自陣で5対3人で余っていても、蹴るんですか?」という質問がある。その時、チームとしてどう決めるのが、より徹底できるのか、を考えておく必要がある。 すなわち、チームのレベルとして、また年度ごとに、どれくらいの粗さで、決めごとをするのか?を考えねばならない。

そして、これだけ多くのことを、プレーヤー達に目に見えるようにしなければ、徹底することが出来ない。
また、現代の若者はわかっていても、自分の判断で自分には出来ないとか、良いのがわかっていても、やるのは厭だとか、ということも出て来る。
そんな彼らに、どのように「その気にさせるのか?」工夫する必要がある。

このように考えて来ると、私が今まで「自分らが出来ると考えられる、身の丈に合ったことをすべきだ」とか、「自分達がやろうとすることを、出来るだけゲームシチュエーションにあった形で練習すべきだ」 と言ったことが、理解して貰えるのではないだろうか?

以上、ゲームはなんの意図もなく、「成り行き」でやるものではない。「勝つために、どうゲームを創っていくのか」というものでありたいもの。


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プロフィール

Yokoi Akira

Author:Yokoi Akira
横井章(よこいあきら)

ラグビークリエイター
現役時代は左CTB、ジャパン10年で17キャップ
    (当時は、キャップ対象試合が少なかった)

1968年、オールブラックス・ジュニアに勝利
1970年以降5シーズン日本代表の主将を務める
    (いまだに、歴代最長記録)
1973年、英仏遠征、日本ラグビー史上初の海外
     テストマッチ、当時世界最強のウェールズ
     と対戦、写真は、その時の幻のトライ
2000年、現場に戻り、100数チームにアドバイス

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