2015. 04. 01  
2010.7.30実際のアドバイスⅡ

3.タックル練習  その1 (肩作り、姿勢作り)

①肩作り:スクラム・マシンに毎日10本、出来れば20本、肩をぶつけよ。
肩でタックルしても、痛みを感じない肩を、まず最初に作れ。

a.ぎゅーと握って「痛いやろ?」 A君、おおげさに痛がる。(笑い)
「この肩で、本当のタックルに行けるのか?痛い、恐いを克服できなければ、肩でタックル出来ない、痛いと思った瞬間は、プレーできない」

b.横井コーチ「自分の肩を握ってみよ。」、「力入れてんのか?」
A君「入れていますよ」と口を尖らせる。横井「痛くもかゆくもない。」

c.試しに、あとで横井コーチの肩を、握らせて頂いたが、左右ともに、全体がカチンカチンで全部が骨で出来ているかのように、厚く固く、分厚くなっている。相手の脚の方が折れてしまいそうな肩である。

d.自分はこの肩を、大学に入って最初の一ヶ月で作った。(横井コーチ)
高校時代はバスケットボールの選手だった。身長が低く(163cm)大成は期し難かったので、兄もやっていたラグビーを始めた。
名門・早稲田大学で、未経験者が試合に出るためには、先ずタックル出来ることが不可欠。当時スクラム・マシンはなく、硬い板(薄いパッド張り)に自分の肩を、毎日何十回とぶつけて、この肩を作った。
一ヶ月でカチンカチンになる。一旦固くしたら、死ぬまで変わらない。

その後の変更:しかし今の若者に、無理をさせてもいけない。先ずはペットボトルに水を入れて叩けと言っておいたら、それだけでも肩鎖関節を壊したという生徒がいたので、自分のペースで、程度を考えてやれと言っている>

e.FWのタックルは相手と距離が短く、スピードも出ていない。スクラム練習で姿勢も出来ている。故に、短い距離の肩あたりで、肩を作ればよい。

f.バックスの肩作り
バックスは違う。相手との距離が離れており、相手のスピードも速い。強い肩を、まず作る必要がある。
スクラム・マシンに初めは近くから、徐々に遠く離れて、遠い距離からでも強く当たれるように、また同時に低い姿勢が保てるように練習せよ。
その際は、よく頭を挙げて前をちゃんと見て、すき間に正しく顔が入るように、背筋を伸ばし、腰と膝を低くするように、注意して練習せよ。(走って来てから入るのも、強さをアップするための一方法)

g.タックルも結局は「馴れ」である。 やったことがなく、肩や身体が出来ていないから怖いのであり、練習すれば、怖くなくなる。

②姿勢作り:1対1でのタイトスクラム姿勢で姿勢の練習。

a.最初はヒザをついてやるとよい。出来たら膝を浮かせてやるように。

b.2人で押し合いをせよ。バックス同士でもやる、皆でやるとよい。

c.背中を伸ばす。背中を丸くせず、逆反りになるようにするとよい。フロントローに教えてもらうとよい。

d.長老OBは「低く行け」と精神論のみ言うが、タックルのできる体になっていないのに、できるわけがない。今の若者の身体をよく認識し、まずタックルをできる肩、できる姿勢をつくれ。

e.タックルは、自分が前に出て行って、スピードに乗ってやる方が楽だし、効果的である。前に出るタックルをやらない人は、ほかの技術があっても、評価しないと伝えること。

4.タックル練習  その2 (2人一組での練習)
小さな土俵のような3mx3m程の四角いスペースに中で、一人が球を持って走り、一人が生タックルをする練習。

a.手で当たらず、肩で当たれ。
得てして、手や腕あたりで当りに行く人がいるが、肩で行け。

b.タックルポイントまで、肩で行くことを体で覚えよ。
手を背中で組んだまま使えないようにし、直接肩で行く感覚を覚えるとよい。

c.成功体験を持たせて欲しい。うまく倒すと、だんだん自信が出来てくる。 倒される側も、倒す側に成功体験の喜びを持たせるように配慮せよ。
例えば、パスが上に来て身体が伸び、腹を空いた状況で、タックルをしやすくするなどしてやれ。

d.タックルポイントについて。
・間合い(敵との距離) ある一定の間合いまで詰めれば、絶対抜かれない。
・姿勢   低い姿勢で、膝と腰を落とし、頭を上げる。
・敵の走力との差  敵と自分の足の速さで、タックルポイントが決まる。

その後の変更:この『間合い』という言葉と概念を全く知らない若者が多いので、しっかり説明し、『一定の間合い』を実感させるようにしている>

e.肩で当たった後の腕、手によるバインドが重要。
ちゃんとパインドをすれば相手を倒せる(自分で自分の手を握れば、かっちりバインドできる)。肩で当たったら、次に手で締めあげよ。

f.体の重心の位置。
・重心が後ろの人がいるが、これはあかん。重心は前に持って行け。
・立ち止まったらあかん。ショートステップ(小刻みな足踏み)をせよ。

g.1発目は下、2発目は上。始めのタックルは低く。これが難しい。成功体験を積め。続く人はボールに行け。
<今2010年ルール変更あり、留意のこと>
   
h.前に出るタックルをせよ。前に出れば、数的優位を実現できる。一瞬にして15人:7人になる。相手のFWを全員Off Sideの位置に置くことができる。


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プロフィール

Yokoi Akira

Author:Yokoi Akira
横井章(よこいあきら)

ラグビークリエイター
現役時代は左CTB、ジャパン10年で17キャップ
    (当時は、キャップ対象試合が少なかった)

1968年、オールブラックス・ジュニアに勝利
1970年以降5シーズン日本代表の主将を務める
    (いまだに、歴代最長記録)
1973年、英仏遠征、日本ラグビー史上初の海外
     テストマッチ、当時世界最強のウェールズ
     と対戦、写真は、その時の幻のトライ
2000年、現場に戻り、100数チームにアドバイス

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