2015. 04. 28  
2010.9.1うまく走るには?

昨日は、「まっすぐ走るには?」の話をしたが、昨今のラグビーの練習を見ていると、大学生でも「なぜ、まっすぐに走らないといけないんですか?」と聞いたことが、わかるような気がして来た。

すなわち思い起こすと、私が大学に入ってラグビーを始めて、グランドに行った時は、練習の1時間以上前に下級生から出てきて、グランドのまん中で始まる、アップがわりの「スタート」に、三々五々参加したものである。
その「スタート」というのは、ゲームで言えば、「グランド中央のスクラムからの攻防」というシチュエーションなのであり、それぞれが自分のポジションに、来たもの順で、参加するのである。

そうしてSHが放るボールをSOが取り、その外側のCTBに、また外のWTBにパスなどするのであるが、最初は全ポジションが揃っていないので、CTBでもSHから直にボールを貰う事もあれば、参加してきたFWがポイントからサポートに走ってくるのにパスする、また時には「ディフェンスついてー」とか「カットインするし、チョット横に持ってー」など、自分達でシチュエーションを創って、それを「声かけ」だけでやるという、「ホントに自由に自分の想像力を駆使し、自分で考えてやる素晴らしい練習」なのである。そのうちに段々上級生も出てきて、「おい、おい、そこはまっすぐ走らなー」とか言うのである。

そして、その意味がわからないとみると、「お前ちょっと、まっすぐ走ろうと思ってやってみー」と言ってやらされ、私のすぐ後ろからついて来て、私の足跡をなぞって地面に線を引き、こう言うのである。「それ見てみ、ボールにおされて斜めに走っとるやろー」と、その足跡をなぞった線を指差してみせ、さらに昨日書いたようなことを、丁寧に教えてくれるのである。このように、上級生が下級生に、なぜ、そうするかという理由も、教え方も知っていて、そのことを伝承するというのが、何十年も続いていたのである。

しかるに、今の練習はアップとスローダウンを、コンディショニングトレーナーが専門的に担当し、週単位の練習日が少なくなっている上に、平均的な練習時間の2時間も、アップとスローダウンに40分ほど取られ、本来のラグビーの練習は1時間20分ほどというのが多い。まして、練習時間の前後の個人的なフリー練習というのも少ない。
また、アップはトレーナーがマーカーをおいたとおりに動かして、ラグビーの練習は、ラグビーのコーチが、同様にマーカーでセッティングしたジェネラルなムーブを指導することが多い。すなわち、一度要領を覚えれば、後は「何も考えることなく出来る練習」が多いのである。

そして、指導者の指示のとおりに動けるようになれば良いのであり「まっすぐに走ることに利点がある」などのことを知らなくても良いのであろう?と、変な納得をしそうになったものであるが、ここに、ひとつ問題がある。
というのは、今の練習は、やる時に「何も考えなくてよい練習」が多いのではないか?即ち、スポーツは経験則で自分が経験したことしかゲームで出来ないのに、ある一定の動きだけを「習慣」のように覚えるだけで、ラグビーのような千変万化のシチュエーションに対応しようとしているのではないか?

トイレに入って自分のお尻をどうやって拭くか?考えた人はないだろう。それは習慣だからであり、但し、自分が足を怪我してギブスをはめたまま和式トイレに入った時、どうして拭こうかと考える。それが経験になる。
故に、ラグビーでは、どれだけ多くのシチュエーションへの対応を自分で考え予測して練習し、経験しておくことが重要ではないのだろうか?

何も、昔の練習を復活しろとばかり、言うつもりはないが、しかし、まだまだ
昨今の練習には、もっと効率を良くする方法があるように思うので、また明日に、続編を書こう。


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プロフィール

Yokoi Akira

Author:Yokoi Akira
横井章(よこいあきら)

ラグビークリエイター
現役時代は左CTB、ジャパン10年で17キャップ
    (当時は、キャップ対象試合が少なかった)

1968年、オールブラックス・ジュニアに勝利
1970年以降5シーズン日本代表の主将を務める
    (いまだに、歴代最長記録)
1973年、英仏遠征、日本ラグビー史上初の海外
     テストマッチ、当時世界最強のウェールズ
     と対戦、写真は、その時の幻のトライ
2000年、現場に戻り、100数チームにアドバイス

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