2015. 05. 25  
Fさんから、返信があったので、、、
<Fさん:横井さん、早速ご回答いただき、有り難うございました。別にスクールの指導者を信頼していないわけではありません。いい指導をしていただいていると、感謝しております。しかし、サッカーのように週にたくさん練習できる環境でもないので、自主練習として色々やらせた方がいいかなと思って、お尋ねさせていただきました。
横井さんの持論は承知しておりますが、一度DVDで映像を見ていただけないでしょうか?実際タグラグビーやタッチラグビーをできる環境は、もっと探すことが難しいです。サッカーやバスケットボールも、小学校の部活動でやらせようとは思っています。でも、ラグビースクールで、ラグビーをさせたい気持ちは変わりません。確かに15人制のラグビーができる身体、身体能力を鍛えられるのは高校生からでしょう。「ものの道理」が理解でき、考えられるのも高校生からでしょう。しかし、私が高校の教員として現場で見ている限り、高校生になって、この競技に入って来る意思を持てる子供は、ごくわずかです。
小さいうちから親しまない限り、ラグビーというコンタクトを伴う競技に違和感を持たずに参加はできないと感じております。よろしくお願いします

横井回答:ラグビーは「自身の全知全能の最大限を駆使し、心と身体を連動させて行なう最も崇高なスポーツ」です。そして、「一番多人数で行うチーム・スポーツで、ルール的には多くのスポーツの中で、一番制約の少ないボールゲーム」です。また、もともとは冬季にやるもので、他の季節には違うスポーツで身体を鍛え、それぞれのスポーツの精神、スキルをも持ち込だ人達が、 最後に集大成的に行うスポーツとも、言えるものではないでしょうか?
そういうことで、一旦グランドに出れば、「あらゆる状況に対して、瞬時に自分で考え判断し、行動しなければならないスポーツ」です。それでいて、「自分一人でやるのじゃなく、チームメイトとコミュニケ―ションをとって、味方の為に自己犠牲的なプレーも出来、またコンタクトなど何をやっても良いルールの中でも、自分を律して、 フェアープレーに徹し、敵と正々堂々と闘うことが出来ないといけないスポーツ」です。

しかし、現在の日本にある多くのラグビースクールの環境では、小学生に『痛い、怖いを克服して』安全に、思いっ切り身体をぶつける新しいプレーに挑戦させ、チームの為、味方の為には『自分を殺してでも、味方を生かす
という・犠牲的精神を伴うプレーもできる『心を創る』ということは、大変難しいことであると思われます。
そうして例えば、「一旦怖いからといって、片手でボールを持ち、もう一方の手で身をかばうことを覚えたら、それを直して、『両手プレー』にさせることは至難の技で、現ジャパンの若い選手でも、片手プレー悪い癖が抜けなくて、インゴールでボールを落としたり、ノールックの片手パスでミスを誘発し、大チャンスを大ピンチにしたことなどを、見かけられたことでしょう。

さらに、ディフェンサーが2~3mの距離に近づいたら、タックルされるのが怖くて、 彼との関係しか目に入らなくなり、広くスペースをみるとか、味方を探すなんての『視野』が、確保できないということにもなるのではないでしょうか?
それらが出来ないと、味方と協力してやる連携プレーが出来なくて、自己中プレーにかたより、片手で不正確なプレーをして、チームメイトに迷惑をかける鼻持ちならない選手に育つ可能性が大きいのではないでしょうか?
このように、『怖い、痛い、シンドイ』を克服できないと、自分の力の『100%以上を出し切る』という『心も創れない』わけですから、『昨日より今日、今日より明日の進歩』が期待できないということになり、怖じ気ついて何もできなくて、ラグビーが嫌いになってしまう選手にならないでしょうか?

また、「各人により千変万化の状況で、自分に必要なこと・その練習方法を自分で考え自分で追い込めるなんてこと、さらには、チームのため、味方選手のために、 身体を張ることが出来る『心を創る』なんてこと」を、本当に、今の小学生理解させ、行動出来るように落とし込めるということが、可能でしょうか?

要するに、「タックル有りのラグビーを目指す」ことについて一番重要なことは、『心を創る』ことであり、『人間力を磨く』ことではないでしょうか。
だから、高校生になっても、それを理解できないようならば、ラグビーはやるべきではないとさえ、私は考えます。
逆に、そのような『障害にめげず、向上を願う・』、そして『自分で考え、周囲とも協力して行動出来る・人間力』を、他のスポーツをやることによって、より多く育むことが出来た若者の方が、『タックル有りのラグビー』に違和感なく、馴染めるのではないでしょうか?

そして、私が一番危惧するのが、『怪我の問題』です。現在の子供達は、生活環境、食生活などからの影響で、大変壊れやすい身体に成っています。タックルを肩で行けるように、まずは「ペットボトルに水を入れて、肩を叩いて鍛えてみよ」と言ってやらせたら、それだけで「肩鎖関節を壊しました」という程の子供達も居るのです。
また、人間は「前向きな気持でやると、その心に反応して身体がチャント準備をして連動、怪我はしない」ものですが、「怖い、嫌だと逃げた身体は、衝撃への準備が出来ず、余計に怪我のもとになる」ということで、なおさら、 今の身体が出来ていない小学生に、チョットしたことで「死にも至る危険性があるタックル有りのラグビー」をさせることは、『自殺行為』であるとまで、申し上げておきたいと思います。

それでも、「小学生にラグビーをやらせたい、但し、タグラグビーやタッチラグビーをできる環境は、もっと探すことが難しい」とおっしゃるなら、また高校の教員である・お父さんなら、それこそご自分で、「少人数で出来る、タックルなしの『タッチラグビー』を勉強して、『タッチラグビー塾』を立ち上げられては、如何でしょうか?」
その方が安全で、いろんなカテゴリーがあって、あなた自身も、 息子さんと一緒にプレー出来るなど、息子さんに対して直接的に、本気で『ラグビーに挑戦する心』を養えるのではないでしょうか?

また、高校や大学、社会人になってからラグビーを始めた人達の方が、『ラグビーの面白さ奥深さ』に心酔し、『70~90歳になってまでも、ラグビーボールを追いかけるというのが、ラグビーであり』、これも何回も申し上げていますが、『今のジャパンで最多キャップ数の大野選手』は大学からラグビーを始めました、さらにスーパーラグビーで活躍中の堀江選手は、高校に入ってからラグビーを始めました。両人とも「身体を張った力一杯のプレーが出来る」ジャパンの中心選手で、このような例はいくつもあります。
そして、私がアドバイスした高校の監督さんは、息子さんに中学生まで「サッカー」をやらせ、『広い視野キック力思いっきりの良いプレー』を磨かせ、その後、自分の高校、帝京大、トップリーグで、大活躍させています。

以上、ラグビーは、『自分で考えてやって初めて、自分の最大限の力を発揮できる』、また、 『自分で考えてやって初めて、自分の身を守ることが出来るスポーツ』です。
長文になってしまいましたが、これだけのことを、是非、参考にして下さい。

なお、DVDは送付不要です。スクラムハーフを目指すなら「ストレートパス?スクリューパスの両方」を出来るようにした方がいいでしょうが、その時期については、『タッチラグビーを研究』される中で、また、このブログを、最初の方から主要な部分読み返し願いご自分で考えて下さい。よろしく、、、

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プロフィール

Yokoi Akira

Author:Yokoi Akira
横井章(よこいあきら)

ラグビークリエイター
現役時代は左CTB、ジャパン10年で17キャップ
    (当時は、キャップ対象試合が少なかった)

1968年、オールブラックス・ジュニアに勝利
1970年以降5シーズン日本代表の主将を務める
    (いまだに、歴代最長記録)
1973年、英仏遠征、日本ラグビー史上初の海外
     テストマッチ、当時世界最強のウェールズ
     と対戦、写真は、その時の幻のトライ
2000年、現場に戻り、100数チームにアドバイス

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