2016. 01. 20  
前回のブログを読まれた方々の中には、『ラグビーの指導者たる者が、何を悲観的なことを言っているのだ』と、おっしゃる方々が居られると思いますが、これは、私が現場にもどって15年の間の身近で、『あってはならない事故・頸椎損傷など』を、いくつか見聞きしているからであります。
そして、そういう方々が、その後の懸命なリハビリなどで、少しは回復して、健気に生活を送っておられることを見るにつけても、『でも事故は起こしてはならない』と、痛感するからであります。

それから、もう一つは、『現在の日本の15人制ラグビーを取り巻く環境』を、現場で実際に見聞きすると、とてもじゃないが、幼児、小学生、中学生に対し『タックル有りのラグビー(日本では、中学生までなら12人制ラグビーか)』を、勧める気にはならないからであります。

現代の若者は、昔より身体および身体能力は、伸長しているところもあるが、生活環境の変化により、『自分の身体をうまく動かす筋肉などの機能が、あまり発達していないように見える』のである。

たとえば、どんなことが起こっているかと言えば、タックルでも、 キッチリで相手のに当たれば、双方無理なく倒れるものを、悪い例は、『まずタックルされる方が、怖がって本能的に片手を出す、タックルする方も手を取って倒そうとする、すなわち、その双方の力と方向によって、どのにように倒れるのか予測がつかず、身体の対応が追い付かない』ことになり、『手を骨折したり、倒れる際の打ちどころ、身体の重なり具合などにより、重大事故にもつながりかねない』というようなことになる。

また、真正面に当たるような場合でも、自然と顔は横にそらすことが出来そうなものだが、最近のプレーヤーでは、頬骨や、眼窩骨折などが起こる。
これも、ひとつ間違えば、重大事故につながる。
悪く言えば、身体、身体能力が上がっているのに、身体の使い方訓練出来ていない、あるいは進歩していないが故に、『咄嗟のことへの対応が鈍く怪我をする』ということが、多く見受けられるのである。

さらに、こういうことが起こる要因は、プレーヤー自身だけが悪いのではなく、 小さい頃にやっていたグランドが、 砂利交じりの土グランドであったりして、『痛い、怖いを克服できず』、そのため必要な怪我防止策習得できず、また正しい姿勢やタックルのスキルなどを徹底して教える、あるいは自分で考えられるように促すコーチが居なかったり、時間がなかったりした、環境面での不備によることが多いのではなかろうか。

たとえば、 日本代表の福岡や藤田でも『片手プレー悪い癖が抜けず』に、インゴールノッコンをしたことがあるが如く、小さい頃に身についた悪い癖矯正するのは、まことに『至難の技』なのである。
これらを総合して、現在の日本でのラグビー環境の中では、 怪我の不安全払拭するのが、本当に難しいと、感じているからである。


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プロフィール

Yokoi Akira

Author:Yokoi Akira
横井章(よこいあきら)

ラグビークリエイター
現役時代は左CTB、ジャパン10年で17キャップ
    (当時は、キャップ対象試合が少なかった)

1968年、オールブラックス・ジュニアに勝利
1970年以降5シーズン日本代表の主将を務める
    (いまだに、歴代最長記録)
1973年、英仏遠征、日本ラグビー史上初の海外
     テストマッチ、当時世界最強のウェールズ
     と対戦、写真は、その時の幻のトライ
2000年、現場に戻り、100数チームにアドバイス

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