2016. 06. 08  
さて国立大学関係では、関東大学対抗戦Bグループで、しばらく入れ替え戦に出れなくて低迷していた東大のOBから、声がかかった
東大は、昔はAグループだったチームであり、当時を知るOB指導陣になったこともあり、なんとか復活させたいとのことだったのである。

そして、現場に出ると、人工芝のラグビー専用グランドで環境も良く、学生達も素直練習熱心で、特にタックルディフェンスの練習は、すべて『ガチ』でやるべしと推奨したところ、本当に、それで頑張ってくれたので、私は大絶賛したのであった。
そして、早速2カ月後の春のゲームで、前年度一位の立教大に、『攻守ともに前へ出るラグビー』で快勝し、成果をあげたのであった。

そんななかで、東大生との『面白いやり取り』があったのが、思い出される。
すなわち、彼らに『私が考案したムーブ』を教えると、「横井さん、これをやって成功した映像がありませんか」と言って来たのである。
「いやいや、これは東大に合う動きを考案したもので、他のチームがやっていないから良いんだよ」と言っても、怪訝な顔をしていたのである。
また、私が「こうアタックすれば、絶対に抜ける」と言い、さらに違った局面で「こうディフェンスすれば、絶対に止められる」と言うと、「横井さん、それって矛盾してませんか?」と言われたのである。
さすが、官僚の卵? 理屈があっているか、間違いがないか、アラ探しをやってくるんだなーと、感じいった次第(

そして、こんなことも起きた。あるゲームで、チームとしては、『自陣22m内からはタッチへ蹴り出す』と申し合わせていたにも拘わらず、2度もノータッチを蹴り、そのうち一つでカウンター攻撃を受け、トライされてしまった。
そこで私は、 「なぜそういうことが、 起きたのか?」、 ゲームに出ていた者は当然、見ていた者も含めて全員に、その時どうすべきだったかの状況判断を聞いてみた。
すると、 一年留年のリーダーでもない5年生が、 敵のモールが強いと自己判断して、リーダーに無断で、キッカーにノータッチを蹴るよう指示したということが、わかったのである。

またその後、割合ラグビーで名の知れた高校からハーフ団が入部し、彼らがその高校で、自分達でやってきた戦略、戦術をしたいとの申し出があり、自主性を重んじてやらせてみたところ、私の判断としては、彼らが卒業まで頑張っても、東大チームとしては完遂出来ないであろうと予測され、そのように示唆したものだった。しかし、私を招いてくれた指導陣も勇退したので、私のアドバイスも途絶え、結局彼らの自己判断で進んだようだが、残念ながら『入れ替え戦出場』はならなかったのである。

しかし、さすがに東大生との議論が出来たおかげで、現代大学生の意外と保守的な思考形態、コミュニケーション方法も窺え、私には有意義な時間であったのである。


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プロフィール

Yokoi Akira

Author:Yokoi Akira
横井章(よこいあきら)

ラグビークリエイター
現役時代は左CTB、ジャパン10年で17キャップ
    (当時は、キャップ対象試合が少なかった)

1968年、オールブラックス・ジュニアに勝利
1970年以降5シーズン日本代表の主将を務める
    (いまだに、歴代最長記録)
1973年、英仏遠征、日本ラグビー史上初の海外
     テストマッチ、当時世界最強のウェールズ
     と対戦、写真は、その時の幻のトライ
2000年、現場に戻り、100数チームにアドバイス

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