2016. 10. 02  
2010.7.25 「悪い癖のつく練習」

さすが、この辺に来ると、「異論」を唱える人のコメントも頂く。
しかし、「ラグビーを議論する」というのは大変難しいものである。「この時間帯では正解であっても、時間帯が違えば不正解」「この地域では良かっても、この場所では違う」など、シチュエーションが違えば、正反対のことが、正解になる場合もある。
また以前、あるチームで「抜きに行け」とやらせたが、しばらくして「横井さん無理です」という。
よく聞いてみると、彼らの「抜く」は「手も触れられずに抜く」ことで、私の「抜く」は「抜きに行くという意図を持つことで、抜きに行って結果捕まっても、ずらせれば良い程度の意味」、
しかし、この行き違いで、1ケ月ほどお互い「何言うとんやろ」と相互不信になっていたことがあった。
だから、議論する場合には、「シチュエーション、前提などを明確にし、また使う言葉の意味も共通にしないと、議論出来ないのである」

今日は、「日本のラグビーを考えるⅣ : 第2章」を、載せよう。

2、なぜ、悪い癖ばかりがつく練習をするのか?

今、ほとんどのチームがアップにやっているのが、グリッドであり、タッチフットである。
これも、外国で行われているところでは「何故やるのか、この練習のポイントはここだ」と、 きっちり教えられていて、 基礎のことを効率的に教えるには、大変良い練習と思う。

但しである、日本に、 それが入ってきて行なわれると、全くその良さが失われ、似て非なるものとなるのである。
たとえば、グリッドでは、自分の番が終わって、 次のプレーヤーに渡す時に、前パスをする。こんなことで、ゲーム中にスローフォワードするのに全く抵抗がなくなるのか?或いは方向感覚が狂うのか?スローフォワードを助長している向きがある。

また、ボールを上へ放り上げて受ける動作がある。しかし、今のプレーヤーのキックを受ける能力は一向に上がらない。キックオフのボールが地面に落ちるのはザラだし、ハイパントの捕球もままならない。
さらに、下のボールを拾って、前のプレーヤーをかわすことをやっているが、ゲームでは、かわすことができないなど、練習日は必ずグリッドをやっているのに?である。

要するに、この練習が悪い意味で習慣化され、何も考えないで、軽いプレーの典型化として、身体に覚え込まされているのではなかろうか?

ゆえに、アップといえど、自分達がやるゲームマネージメントに沿った動きを、7~8割のスピードでやり、まだ頭が使える間に、頭に覚え込ませる方が、よっぽど効率的ではないのか?

また、タッチフットでは、ディフェンスは立ったままの高い姿勢で、タッチするだけ、差し込まれても下がらず、一発抜かれたらそれで終わり。これが15人制のユニオンラグビーでは、高い姿勢でのディフェンス、横一線のもろいディフェンスにつながる。

アタックではタッチされたら、そこで一旦ボールをデッド、ボール獲得の動作なしに、次のアタックにリリース、コンタクトがないものだから横へ横へと軽いつなぎの動作に終始する。
すなわち、ユニオンラグビーで重要な接点になればボールを確保するつなぎやオーバーを練習することにならず、逆にボールはいつも獲得できるという錯覚?に陥る。

またボールを渡した味方にサポートせず、孤立を招いても悪いと思わない。
さらに味方が抜けてトライに走っても、その一人が走っているだけで、あとの味方は眺めているだけなど、これも実際のゲームでは、マイナスになることばっかりを練習しているのである。

タッチフットでは、広い視野で、攻めるべきスペースを見つけ出すという良い面の練習にもなることだし、どうせやるなら、タッチは腰より下、アタックは、 ワンオフロードありとか、ルールを変えてでも15人制ラグビーのための練習になるように考えてやっては如何?


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プロフィール

Yokoi Akira

Author:Yokoi Akira
横井章(よこいあきら)

ラグビークリエイター
現役時代は左CTB、ジャパン10年で17キャップ
    (当時は、キャップ対象試合が少なかった)

1968年、オールブラックス・ジュニアに勝利
1970年以降5シーズン日本代表の主将を務める
    (いまだに、歴代最長記録)
1973年、英仏遠征、日本ラグビー史上初の海外
     テストマッチ、当時世界最強のウェールズ
     と対戦、写真は、その時の幻のトライ
2000年、現場に戻り、100数チームにアドバイス

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