2010. 12. 13  
「セーフティリード29点の考え方」については、現在行われている多くのゲームの中で起こっている「ある現象」に、注目して下さい。

すなわち、数次のアタックでトライを取ろうと、アタック側が意図してやるが、多くの場合、 その間に、ノッコン、スローフォワード、アクシデンタルオフサイドなどで、守備側にボールを献上する羽目になるか。
数次のアタックで攻めあぐねて、アタック側の方がオンサイド人員が少なくなり、結局孤立して、ノットリリースなどのペナルティを取られるか。
もっとも悲惨なのは、ターンオーバーされて、そのまま攻め込まれて、逆に、 敵にトライを取られるということが、レベルが低いほど、頻発していることが見受けられるのである。

この最も悲惨な例の得点を考えると、もともとアタック側としてみれば、攻め続けてトライアンドゴールで7点取れてたはずが、取れなくて、逆にターンオーバーされ、トライ、ゴールされたわけだから、差し引き7+7の14点差がついた勘定になる。そしてなお且つ、この時のメンタル面の双方の影響たるや、「がっかり」と「してやったり」で、大変な落差となるのであり、これを私は「愚かな14点差」と言っているのである。こんなことは、拮抗する敵との戦いの場合は、ひとつあっても、もう負けである。

では、そんな時どうすればよいか?私の推奨は、2次或いは3次攻撃でトライを取れなければ、一旦停滞ラックにして、態勢を整えて攻め直すか、或いはインゴール、またはタッチ際にグラバーキックをして、トライを狙い、トライがダメでも一旦ゲームを切る、そして敵ボールになっても、敵はドロップアウトか、タッチキックで、またボールの保有を返してくれることが多いから、また「敵陣に居続けられて、攻め続けられるのでは?」というものである。

そこで、話をセーフティリードに戻すと、こういう精神的な落差が2回あってもまだ大丈夫という得点差、即ち14×2=28点に、プラス1点の29点あれば良いのではないかというのが、 私の「セーフティリード29点差」の考え方である。

たとえば、具体的に考えて下さい。まだまだ時間がある段階で、通常多くの人が思っているセーフティリード「2トライ2ゴールの14+1=15点差」
をつけていても、そこで7点を入れられると、15-7で、俄然「よし、行けるぞ」と追い上げムードとなり、追いかける方がメンタル面で強くなるのが、精神的に不安定なプレーヤーが多い現在のチームの実情ではないだろうか?
しかし、29点差なら、29-7となっても、態勢を立て直し、元の堅いゲーム運びに直して、再度29点差を目指して7点を取りに行く、という精神的な余裕がまだあるのではないか?という考え方なのであり、またもうひとつは、やはり29点差がつくと、もうリードされたチームの「心が折れる」という精神状態を醸成する得点ではないか、というものなのである。

そして、この「29点差がついてないところでの逆転劇」が、大変沢山あるということも、今迄多くの実例で証明して来たものである。

これも、結局は「心と身体が連動するスポーツである・ラグビー」の、
ひとつの特徴ではなかろうか?参考にして頂きたいものである。  





関連記事
スポンサーサイト
NEXT Entry
②:セーフティリードについて
NEW Topics
⑤:アタックについて
④:アタックについて
③:アタックについて
②:アタックについて
コメント:③
Comment
ご経験に基づく鋭い考察、読ませて頂き大変参考になります。

確かに、29点あればセーフティーリードな気がします。しかし、今までの記事のように、チーム力が違ければ練習方法が違うのと同様、チーム力によりセーフティーリードも違うのではないでしょうか?失点により受ける精神的ダメージもチームにより異なるハズですし、時間帯によってもセーフティーリードの幅も変わってくると思います。

若干気になったのでコメントさせて頂きました。
これからも読ませて頂きます☆(^-^)
Trackback
Comment form
 管理者にだけ表示を許可する
プロフィール

Yokoi Akira

Author:Yokoi Akira
横井章(よこいあきら)

ラグビークリエイター
現役時代は左CTB、ジャパン10年で17キャップ
    (当時は、キャップ対象試合が少なかった)

1968年、オールブラックス・ジュニアに勝利
1970年以降5シーズン日本代表の主将を務める
    (いまだに、歴代最長記録)
1973年、英仏遠征、日本ラグビー史上初の海外
     テストマッチ、当時世界最強のウェールズ
     と対戦、写真は、その時の幻のトライ
2000年、現場に戻り、100数チームにアドバイス

最新トラックバック
カテゴリ
検索フォーム
QRコード
QR