2010. 12. 24  
「セーフティリード」につき、また長文のコメントがありました。

<TN氏:はじめて書き込みいたします。関西で個人的にラグビーを研究しているTNと申します。 当ブログでは、議論推奨とのことでしたので、「セーフティーリード」というアイデアに関して3点、私見に皆様のご意見を賜りたいと思います。
1点目、まず「セーフティーリード」なる概念についてですが、その存在意義はいったい何なのでしょうか?数字を設定するからには何かしらの判断材料として活用するのでしょうが、いったい何を判断するのでしょうか?敵チームの「心が折れる」と判断するのでしょうか?それともよりリスキーなオプションや新しい選手を試せると判断するのでしょうか?逆にその点差をつけられたらどう判断するんですか? 練習試合ならいざ知らず、その勝負に対する認識は甘くないですか? 何点差であろうと、残り時間が何分であろうと、戦う目的は『できるだけ多く点をとり、とった点数よりも少ない失点に抑えること。』であり、『勝敗は試合終了の笛の後に決するもので、試合中に当事者たちによって判断されるものではない。』違いますか? そこで冒頭の質問をもう一度皆様に致します。『セーフティーリード』なる概念の存在意義はいったい何ですか?
2点目、基準となる数字に関してです。
> 仕事上、クライアントに基準となる数字を示し、様々なご提案をさせていただくことが多く、判断材料としての『数字』に非常にこだわりが有ります。その際、いつからいつまでの期間、どのような対象からどのようにして抽出したデータを、どう統計処理したものか?と言うのをクライアントに対して明らかにし、その数字に対する信頼度や自分自身の誠意をまず理解していただくところから始まります。ここでは、私がこの仕事でどれだけの結果を残し、これまでどれだけの経験が有るかということは何の役にも立ちません。
> その上で、本トピックにて示された29点という数字に関して、その数字のアイデアは理解しました。しかし、それを裏付けるデータは現在のところ示されていないように思います。三洋対サントリー、ヤマハ対サニックス、筑波対流経の試合などを例として挙げられていますが、条件に当てはまる試合が個別に紹介されているだけで、根拠としては非常に弱いものと言わざるを得ないと考えております。すべてのラグビーの試合に普遍的に当てはまる数字であれば、一定期間無作為に抽出したデータを統計的に分析(平均値・中間値など)し、示す必要があるのではないかと考えます。皆様どうお考えでしょうか?
> 最後に一点、ブログを閲覧される皆様は、少なからずラグビー界の内外に影響を与える方が多いのではと推測しておりますが、他者に影響を与える基準値や数値、その他理論などを伝える場合、それらの意義や正確性、信頼性をよく検証してから発表する必要があるのではないでしょうか?生意気なことを言っているのは承知しておりますが、それら情報を糧に成長している未来の日本代表選手たちに対する、それが我々情報発信者の使命ではないかと考えております。

宣言通り、私はコメントを差し控えさせてもらいます。
どなたか、コメントがあれば、送ってあげて下さい。よろしく、、、



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Comment
No title
セーフティーリードの定義ぐらいは横井さんもコメントすべきなのでは・・・。個人的には、以前書きました通り、新しい戦法・人材での挑戦ができる(そのまま勝てるため)という点数のことをセーフティリードというのではないかと思います。試合残り5分とか極端に短い残り時間で選手交代を指示するよりは合理的な考え方かと。

試合終了間際にトライされるかもしれない=終了間際には8点以上の差が必要(しかし試合終了時間は審判のみぞ知る)
8点でもワントライされたら追い上げムードになられてムードが不利になってしまう=15点確保しないとワントライのミスが命取りになる(心の主導権をとられてしまう)
21点以下だとセーフティリードの点数をとりにいってミスしたときに15点以下になってしまう=22点確保すれば追い上げムードは作られない(21点からワントライされて14点差になったとき、21点に戻そうとしてミスが起こり、7点差にされるかもしれない。)
ワントライされても22点になる点数=29点(29点をセーフティリードとしておけば、ワントライされると22点。29点に戻そうとしてミスしても15点になる。耐えられる。)

どうでしょう。
No title
横井さんの言うところのセーフティリード論は
科学的な説明のなされていない、信用に足らない論だろう

この様に疑われているのですよ?

失礼ですが
これに対する反論くらいは自分でなさってください

※科学的な説明ってのを補足
無作為に抽出した十分量のデータを踏まえ
具体的に、どの程度のリードで、どのくらいの勝率であるかを示せれば
十分に科学的なデータだと思われます
No title
みな様お世話になっております。
ご意見ありがとうございます。

横井様
>宣言通り、私はコメントを差し控えさせてもらいます。
どなたか、コメントがあれば、送ってあげて下さい。よろしく、、、
上記、非常に残念です。

くるぶし様
同感です。

牛乳様
なるほど、この理論の存在意義としては、戦術や選手を『試すのに良い点差』と言う事ですね。この数字をくるぶし様の挙げてくださった方法で証明できれば『数字』としては後ろ盾を得ることができますね。
ところで、点差と時間軸についてコメントされておりますが、開始20分に29点差と仮定して、選手を交替してしまっても本当に大丈夫でしょうか?逆に同時間帯29点差で負けている場合、牛乳様のチームの心は折れてしまいますでしょうか?
横井様を含むみな様、上記についていかがお考えでしょうか?
No title
横井さんの理論の多く(・・・と言うか、殆ど全て)は参考になるのですが
今のところ、セーフティリードだけは説明が不十分過ぎるという印象を受けます

理由として

セーフティリードの定義とは何か?
→定義付けの目的に左右される
定義付けの目的とは何か?
→ヒトによって無数に考えられるであろう為、絞り込めない

これでは、考えろと言われても無理というものです


それから、科学的検証の定義を下記に

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A7%91%E5%AD%A6%E7%9A%84%E6%96%B9%E6%B3%95

~ここから上記URLより引用~

科学的方法(かがくてきほうほう、英: scientific method)とは、物事を調査し、調査結果を整理し、新たな知見を導き出し、知見の正しさを立証するまでの手続きであり、かつそれがある一定の基準を満たしているもののことである。 科学的な方法は、科学的手法、科学的検証ともいわれる。

「一定の基準とはそもそも何か」という問題は諸論があるが、大まかにいえば、その推論過程において「適切な証拠から、適切な推論過程によって演繹されていること」、「仮説検証型」の調査プロセスが要求される。また、扱う対象が、測定、定量化が可能であることが望まれることも多い。

~ここまで引用~

しかし、難儀なモノですよねぇ
ラグビーを知る人は、科学的手法を知らず
科学的手法を知る人は、ラグビーを知らず
No title
くるぶし様
>ヒトによって無数に考えられるであろう為、絞り込めない。
これは、点差・時間帯に関わらず、『まだ試合中』であるために、勝利が100%確定していないことが原因ではないかと考えております。
つまり試合中であれば、非常に極端な話、100点差をつけていたとしても、逆転のチャンスは0%では無いので、人によってどこかで見切りをつけるとはいえ、勝っているチームは点をとり続けなければいけないのではないでしょうか?『29点理論』(現段階では仮説の域を出ませんが)は、ごく初歩的なパラドックスのように思えます。

>ラグビーを知る人は、科学的手法を知らず
>科学的手法を知る人は、ラグビーを知らず
この点について、手法は知っているのですが、どのように活用すればよいのかがわからないのではないか?と推測しております。
膨大な量のデータの分析そのものには、どのデータが使えるものかを特定するために、対象に関する知識と、ある程度の経験が必要になります。
日本は分析対象であるラグビーその物のゲーム構造理解や、その研究の部分で立ち遅れており、データ解析能力は有っても、知識や経験の部分で大きく後れをとっているために、それら統計データから何を見出さなければならないのかがわからないのではないか?と推測いたしております。

例として、リポビタンDチャレンジ2010のサモア戦、日本代表のハイパント12本中結果がマイボールになったのは2本=20%、同じくサモア19本中7本=36.8%、、、ほぼ取り返せないハイパントを『自陣から』蹴り続けてます。
その前に発表されたPNCに関する日本協会発行の、2010年度日本代表活動の紹介(Pacific Nations Cup)10ページ目、SAMOA戦のトータルキック数29本に対して効果的だったのは48%。ハイパントのデータがそのうち何%だったのか発表されていませんが、トータルキック数の最低60%の精度を求めているようです。

しかし、ハーフからのボックスキックを追う可能性の高い日本代表WB遠藤186cm90kg・小野沢180cm85kg。サモア防御のWBシノティ195cm96kg・ペサミノ185cm90kg。ついでにFBルイ189cm98kg、No8が一番小さくて182cm、両フランカーは190前後、ロックに至っては2m超です。
ハイパントが取れないのは、はたしてキックの精度が上がるだけで改善されるのでしょうか?

データはとれるのですが、活用方法がわかっていないようにしか思えません。
No title
訂正:ハイパントデータの下り。
×20%→◎16.7%
失礼いたしました。
No title
定義が決まっていないと考え方を共有できないですし、同意を得ることは難しいですよね。
セーフティリードの位置づけとしては、これまでのブログを読んでいると、この点差を意識した上で試合を戦えばリードを守りきれる点差ということではないでしょうか?この意識した上で勝つためのゲームをするというところに意味があるように思いますが、たとえば練習試合で序盤にリードしてから戦術的な意味をまったく持たずに試すためだけに主力選手とリザーブの選手を入れ替えても勝てるという意味で用いているのではないと思います。ペナルティーやフィールドポジションにおけるプレーの選択をこの点差を意識して行うなどといったことではないかと思います。
科学的手法というのに関しては必ずしも科学が絶対というわけではないですし、人間を対象にしたstudyなどでは(医学における臨床研究など)対象の選択やプロトコールを少しかえるだけで統計学的有意差が出たり出なかったりということはよく経験されることですし、そんなにこだわることでは無いかと思います。どうしてもというのであれば、たとえば今年のトップリーグや大学・高校などの公式戦ぐらいで、試合中の最大の点差(29点差以上リードしてから29点差以上で負けてる場合は別に抽出しないといけないですが)と勝敗の結果をまとめて勝率を計算すればよいのではないでしょうか?この段階で逆転されている試合があればそこまでですし、ないのであれば、対象とする母集団を広げていけばよいのではないのですか?セーフティーリードの概念を反証したい方はやってみては同でしょうか。
仮に、試合中の最大の点差と勝敗結果を計算したとしても、そこで得られるのは経過時間(残り時間)と点差と勝敗の関係だけではないでしょうか。
ですから、その点差から来る選手の意識の持ちよう、戦術の変化までを測ろうとするとスタッツからの計算では不可能です。ですので、セーフティリード論の裏づけにはなりません。

もし、「経過時間と点差によるセーフティリード論(仮名)」を算出し活用するとすれば、監督、コーチ陣等スタッフ側の方ではないかと思われます。(選手交代や時期によっては新しい戦術のテストなど)
ただし、これもセーフティリード論を思いっきり好意的に見た場合ですが。こんな尺度でマネジメントされたチームは強くなれません。(←正確には、こんな尺度でしかマネジメントできない監督であれば、ラグビーを理解しているとは言えないので、強いチームは作れないということ)


グランドにいる選手達はセーフティリードなどといった考えを持たず、勝利に向かって効率的に最大の得点を目指すべきだと思います。
No title
T.Y.様
はじめまして。

>科学的手法というのに関しては必ずしも科学が絶対というわけではないですし、人間を対象にしたstudyなどでは(医学における臨床研究など)対象の選択やプロトコールを少しかえるだけで統計学的有意差が出たり出なかったりということはよく経験されることですし、そんなにこだわることでは無いかと思います。
おっしゃる通り、科学的・統計的に出された数字は絶対では有りません。ですが、“定義が決まっていないと考え方を共有できないですし、同意を得ることは難しい”ので、‘選択した対象やプロトコール’を公開のもと分析したデータを後ろ盾として、理論は証明されるのではないでしょうか?よって、非常にこだわる必要のある問題だと思います。

beard様
はじめまして。

>もし、「経過時間と点差によるセーフティリード論(仮名)」を算出し活用するとすれば、監督、コーチ陣等スタッフ側の方ではないかと思われます。(選手交代や時期によっては新しい戦術のテストなど)
プレッシャー下での新戦術や選手を試すのが目的であれば、私はスタートから起用し、機能しなければ確実に勝てるものに替えます。判断は難しいですが、、、先か?後か?は指導者次第ですが、敵が弱っていたら力を発揮するものは本物だと思いません。

>グランドにいる選手達はセーフティリードなどといった考えを持たず、勝利に向かって効率的に最大の得点を目指すべきだと思います。
おっしゃる通りであり、議論の核心を突いているコメントであると思います。
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プロフィール

Yokoi Akira

Author:Yokoi Akira
横井章(よこいあきら)

ラグビークリエイター
現役時代は左CTB、ジャパン10年で17キャップ
    (当時は、キャップ対象試合が少なかった)

1968年、オールブラックス・ジュニアに勝利
1970年以降5シーズン日本代表の主将を務める
    (いまだに、歴代最長記録)
1973年、英仏遠征、日本ラグビー史上初の海外
     テストマッチ、当時世界最強のウェールズ
     と対戦、写真は、その時の幻のトライ
2000年、現場に戻り、100数チームにアドバイス

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