2011. 01. 13  
1950~60年代には、イギリスからオックスフォード大やケンブリッジ大、或いはニュージーランドからはニュージーランド大学選抜、カンタベリー大など、大学のチームが来日していた、それらに対戦していたのが、全早大など大学単独チームや、急遽寄せ集めの「全日本」チームであったが、大学単独チームの方が、戦略・戦術が統一されていて、全日本より良いゲームをしていたことがあったのである。

そんな状況を嘆いておられたのが「オヤジ」で、「ジャパン」もある統一された考え方で戦えるチームにしたいとの思いから、早稲田の再建の目途がついたころから、「全日本候補選手の夏合宿」が始まったのである。

それが確か1964年頃?(私の大学4年生の頃?)だと思うが、その戦略、戦術は、あの「接近、展開、連続」すなわち、当時FWがひ弱でボール獲得率が低かった「早稲田のラグビー・小よく大を倒すラグビー」の考え方が中心だったのである。

しかし、前回書いたように、当時の全日本のBKは大学選手権で勝った法政大出身者が中心、⑨大久保、⑩桂口、⑪坂田、⑫横井、⑬尾崎、⑭伊藤、⑮竹内と、同志社出身の坂田と、早稲田出身の横井以外は法政出身だったのである。だから、早稲田式ラグビーをすると言っても、それを知っていたのは「横井」だけだったのである。(昔はCTBは左⑫、右⑬)

たとえば、このメンバーが最初に左オープンのラインをつくると、
                              
                             ⑨


                       ⑩            ⑭

        ⑫
                ⑬

  ⑪      

というようなラインになったのである。

⑬尾崎:オイ横井、なんで俺より前に居るねん
⑫横井:俺は足遅いから、ここからやないと置いていかれる
⑪坂田:横井、ボールを深い俺にあわせて放ってくれや
⑫横井:フラットが一番効率よく抜けるんやから、前へ出てこいや

などと言いながら、 早稲田式・接近アタックを、 現場では、私が浸透させていったのである。
当然、ディフェンスも、100mは一番遅かったが3~5mは一番早かった私にあわさせた・世界を驚かす「シャローディフェンス」を出来るようにも、していったのである。

この早稲田式を浸透させる時に、オヤジの取ったやり方が「横井(身内)を叱り、他の選手には優しく教える」ということであったのであり、私も理解して、「怒られ役」に徹していたのであった。
また、夏合宿と言っても、毎日ゲームでの実践教育で、50~60人の候補選手で3チームをつくって回してやらされたのであるが、横井はどのチームにも入らなきゃいかんので、結局6ハーフをやらされるなど、オヤジにこき使われたのであった。

だから、本当に、私はオヤジに褒められたことはなかった。しかし私が11年前現場に戻る時、オヤジの墓参りをして、オカーチャンに報告に行った時に初めて、「あの時のあのプレーは、横井しかできなかったと、言っていたよ」
とか、「早稲田の後輩の子供の名付け親を頼まれた時、アキラと名付けていたよ」とか聞かされ、分かってはいたが、ようやく納得したのであった。


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Re: No title
ご指摘ありがとう。訂正しておきました。
No title
心が温まりました。
深い師弟愛に感動しました。
大西さんが、横井さんの名前をつけられたくだりは
大西さんにとって横井さんがどれだけ大切な存在だったのか
を感じました。
また続編を心待ちにしております!
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プロフィール

Yokoi Akira

Author:Yokoi Akira
横井章(よこいあきら)

ラグビークリエイター
現役時代は左CTB、ジャパン10年で17キャップ
    (当時は、キャップ対象試合が少なかった)

1968年、オールブラックス・ジュニアに勝利
1970年以降5シーズン日本代表の主将を務める
    (いまだに、歴代最長記録)
1973年、英仏遠征、日本ラグビー史上初の海外
     テストマッチ、当時世界最強のウェールズ
     と対戦、写真は、その時の幻のトライ
2000年、現場に戻り、100数チームにアドバイス

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