2011. 10. 16  
ブログ開始当時の記事を、見ておられない方のために、再度
紹介しています。
これは「201014日:今日は宮田と話をした」という題で書いたものです。


昨日は30数年ぶりに宮田と会い、話をした。宮田は、1971年イングランド代表チームが初めて日本に来て、全日本と接戦を繰り広げたが、中でも当時主将の横井が、第一戦花園のテストマッチで、負傷退場して惜敗。第2戦秩父宮でのゲームにも出れなくて、横井に代わって出場した慶応OBのCTBである。ゲームは「3-6」の大接戦、両軍ノートライの伝説のゲームとなった。花園の第一戦の前に、チーム全員で寄せ書きした際、大西監督が「日本ラグビーの創始者たれ」と書かれた脇に、「逃してなるかこの機会・横井章」と書いているのが今でも残っているが、「逃しているやないかい!」と、笑い話にもならなくて、多くの人が「横井が出ていれば、、、」と嘆いてくれた・一戦であった。

宮田も現役引退後はラグビーに関係してなくて、日本オリジナルのBKプレーが消えてなくなったのは、やはりBKの突破の中心人物であるCTBでないと、「BKの抜く、ずらすの極意はわからんわなー」と両者うなずくことしきりであった。なお、彼も近い将来現場に帰って指導したいと言っていたので、私の10年間のノウハウを書いたものを送ってやると約束した。

なお、先日来「日本のラグビーを考える」の文章を紹介しているが、なぜあんなことが気になるのか?と疑問に思う人も多いと考えるが、それは、テレビのクイズでもあるように「徐々に画面の絵が変化して行くのを見ていても、どこが変わったか?気付きにくい」が、「最初の絵と最後の絵を並べれば一目瞭然」となるのと同じで、26年現場を離れていたからこそ、「これおかしい」という事が判然とするのである。

それでは、今日は第3章を紹介しよう。

3、ラグビーに必要な基本的なこと・・・低い姿勢と瞬間ダッシュ

低い姿勢・・・自分の意図通りに動くには、重心に乗った低い姿勢が不可欠。自分の思う方向に瞬時に動くためには、高い姿勢からだと、一度低い姿勢になってから行動する必要があり、2段階動作となって時間がかかる。
また「小よく大を倒す」には自分の一番強い肩を相手の一番弱い腹にヒットさせるのに必要な、低い当たり、低いタックルが出来る為にも低い姿勢は欠かせない。だが最近、中学やラグビースクールでのタグラグビーやタッチフットボールで高い姿勢のままプレーをする、また胸で当たる癖がついている場合が多く、この「習い性」を早い時期に徹底的に修正する必要がある。そのために、何かの下をくぐらせるという練習なども一方法である。
(この話の関連で、御所工のグラウンドに15m四方の広さを1m半の高さの網で覆った練習場が作られた時には本当に感動した。何事も工夫と実践が重要である)

また、低い姿勢の基本形はスクラムマシンに当たる「背中を地面と平行に真直ぐ伸し、膝を曲げて、腰を低く保った形」で練習できる。まさに、スクラムはラグビーの基本で、足腰を鍛え低い姿勢で倒れないことが、球際でのボールの取合いにも生かされる。先に述べた肩を作ることも兼ねBKにも練習させるべきである。但しここで留意すべきは、低い姿勢というと、腰が落ちなくて、頭だけを落とすプレーヤーが多いことで、これはルールでも規制されているとおり危険であり、まず膝を曲げ、腰を落とし、頭はあげることを徹底すること。

瞬間ダッシュ・・・短い時間、すなわち一瞬でトップスピードになれることが重要。
ディフェンスで前に出る時、タックルに入る時、アタックで抜く時、当たる時などいずれの場合にも、短い距離、時間でトップスピードになれる ことが肝要。この為には、身体づくりで述べた「重心に乗った低い姿勢から歪みのない無駄のない動き」でスタートし、一瞬の内に身体の力を凝縮して爆発させることが必要、但しこの一瞬の動きを「ヨシッ」と意識してやるのじゃなく、「スー」と無意識にできれば、より上等で、下半身の緊張がそのまま上半身に伝わらずに、次に続くプレーのタックルやパスに集中することが出来るはずで、ミスを最小限に出来るのある。さらに重要なのは、この「瞬間ダッシュができる」ことが、ラグビーに最も必要な「状況判断」を「行動を起こすギリギリ直前まで見極められる」ことにつながるということで、このようにして初めて、状況に応じた行動が瞬間的に出来るということになるのである。

この練習として、クラウチィングスタート、ピボットターンや反復ダッシュなどがあるが、いずれも単純動作の繰り返しの為、マンネリにならないようにする工夫が必要で、また無意識に瞬間ダッシュが出来るようになるには、かなりの訓練が必要である。
このような基本については、たとえば「低いタックルをしろ」といくら言っても、まず「肩をつくり」「高い姿勢を直し」「一瞬で間合いを詰め」「一瞬でタックルに飛び込むダッシュ」が出来ないことには、このどれひとつが欠けても、「前へ出る低いタックル」は出来ないのであり、ひいては大きな敵を、ゲインラインの前で倒すディフェンスは出来ないのである。要は基礎から積み上げないと、どんな技術、戦術、戦略も構築出来ないのである。
 
次回は「練習内容で改善、あるいは追加すれば良いのにと思うこと」について書こう。

  
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天理大学の7番
今日、天理大学と同志社大学の試合観戦しました。
天理の7番の選手が、低いタックルをし、素早いダッシュをし間合いをつめることのできる選手でした。独特の間合いをつめる感覚を持っていました。多分ミスタックルはなかったと思います。身体も大きくない選手ですが、横井さんが言われる選手に近いかなと思いました。一度見てあげてくください。
Re: 天理大学の7番
私は見ていないのでわかりません。なお、このコメント欄で、私に回答を求められる人は、所属チーム実名、あと出来ればラグビー歴などを、お願いしたいですね。そうでないと、その人に合った回答の仕方が出来ないので、よろしく、、
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プロフィール

Yokoi Akira

Author:Yokoi Akira
横井章(よこいあきら)

ラグビークリエイター
現役時代は左CTB、ジャパン10年で17キャップ
    (当時は、キャップ対象試合が少なかった)

1968年、オールブラックス・ジュニアに勝利
1970年以降5シーズン日本代表の主将を務める
    (いまだに、歴代最長記録)
1973年、英仏遠征、日本ラグビー史上初の海外
     テストマッチ、当時世界最強のウェールズ
     と対戦、写真は、その時の幻のトライ
2000年、現場に戻り、100数チームにアドバイス

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