2011. 10. 20  
もう一つの準決勝ニュージーランドオーストラリア戦を見て、思わず笑いがこぼれてきてしまった。これも、私がアドバイスして来た「戦術」そのままのオンパレードであったからで、そりゃ「勝ち」にに拘る戦い方となると「こうなるわなー」ということなのである。
6年ほど前に、トップリーグ陥落の近鉄にアドバイスしてニュージーランド行った時、日本人は外人がやっておれば真似するだろうと思って、「私のアイディアをカンタベリー州代表コーチ
などに教え、逆輸入しようと思ってやったこと」が、本当に浸透しているのかなと、思える程であった。(笑)

今回地元開催のNZLにとっては、同じく1987年第一回W杯優勝以来の優勝が至上命令、また、この準決勝に残ったチームが1987年と全く同じ顔触れで、さらに既に決勝に進出したのもFRA、同じ決勝戦になるには、負けることが許されない戦いだったのである。そして、このゲームにかける思いは、最初の
ハカ」にも込められていた。
(ハカは先住民マオリ族のに捧げる戦いの舞:最近日本でこれを真似して、観客席でも裸になってやるチームなどがあるが、何でも真似しかできないのか、オリジナルはないのか、また本物に失礼でもあり、やめておいた方がよいと思われる)

そして、この「ゲームの入り」はグランド全体の雰囲気にのみ込まれたのか、AUSのキックオフがダイレクトとなり、センタースクラム、そこでNZLSHがAUSのゴール直前に絶妙なキック、以後5分間のNZLの攻撃が続き、5分NZLのパスダミーで抜けタックルを受けても倒れながらつなぎ(これも私の推奨策、但し両手でやらせるが、、、)サポートしたがトライ。
そして、なんとその後もキック効率的に使い、17分までのテリトリーはNZL83%-17%AUSと圧倒、この戦い方を見て、もう勝負ありと確信したのであった。

しかし、留意すべきは使うキックの種類精度、それを間違うと、たとえば13分AUSがPGを決めたのは、その前のNZLが
22m内からのタッチキックをノ―タッチにしたものを、 カウンター出来たからであり、25分AUS裏チョンをして逆襲されたり、ダイレクトタッチとなったようなものは、地域戦略に大きく
影響するものなのである。
私のアドバイスでは、キックに対する敵布陣をどのように崩してどのようなキックをどこへ蹴るべきかに拘り、プレーヤーに落とし込んでいくもので、日頃の練習が非常に重要なのである。  

そしてゲームは、前半NZL14-6AUSで、トライはNZL最初の1トライのみで、あとはPGとDG。後半は、またAUSが入りであり得ない自陣ゴール前からパス攻撃をして、捕まってノット
リリースのペナルティで、NZLがPGを決め17-6、これで本当に勝負があったのである。
その後、両軍とも現在の世界の最高レベル?(1960~70年代のジャパンのアタックよりは劣る?)の攻撃もやりあったが、結局は、ディフェンスがそれを上回って、両軍ノートライのまま、
71分に、スクラムでプレッシャーをかけたNZLがPGを追加し、20-6で、地元の声援にこたえた。

ここで、ことわっておくが、私の理想のラグビーは「ノーラック、
ノーモールのつなぎまくるラグビーである」また、昔のジャパンは、ボール獲得率が20%程度なので、蹴るなんてしていられない、蹴られたボールこそが数少ない攻撃チャンスであり、それをつなぎまくってトライしたものである。しかし、今こんなことは出来ない。
だから、現在の私が「小よく大を倒すラグビー」として推奨しているのは、ジャパンのラグビーでもなければ、現在世界で流行しているラグビーでもない。しかし、今回のW杯準決勝2試合で、「勝つことに拘ったゲームとして行われた戦術」が、
これだけ「私の推奨策」と相似しているということは、どういうことなのか。

また、私はこの戦術を「現在のルールの中で、また現在のプレーヤーの資質から考えて、11年も前から推奨していること」
なのであり、敢えて言わせてもらえば、現在のプレーヤーの
身の丈に合ったラグビー」として、「世界でも最先端の考え方」として、アドバイスして来たのである。
しかし、折角成果をあげたチームの中でも、一部のチームが身の程忘れ、オールブラックスでも出来ないのに、今の日本流行の「どこからでもアタック」といったバカなことに染まって、負けているチームもある。60を超えるチームの皆さん、本当に私を信じて推奨する戦術細部にまで拘って実行し、確実に
勝って頂きたいと願うばかりである。

関連記事
スポンサーサイト
NEXT Entry
過去の記事:(6)
NEW Topics
朝ドラに号泣!
㊿:ラグビージャパンの足跡
㊾:ラグビージャパンの足跡
サンウルブズ最終戦に勝利
南ア戦、2015年に訂正
Comment
Trackback
Comment form
 管理者にだけ表示を許可する
プロフィール

Yokoi Akira

Author:Yokoi Akira
横井章(よこいあきら)

ラグビークリエイター
現役時代は左CTB、ジャパン10年で17キャップ
    (当時は、キャップ対象試合が少なかった)

1968年、オールブラックス・ジュニアに勝利
1970年以降5シーズン日本代表の主将を務める
    (いまだに、歴代最長記録)
1973年、英仏遠征、日本ラグビー史上初の海外
     テストマッチ、当時世界最強のウェールズ
     と対戦、写真は、その時の幻のトライ
2000年、現場に戻り、100数チームにアドバイス

最新トラックバック
カテゴリ
検索フォーム
QRコード
QR