2011. 10. 31  
29日から、トップリーグが始まった。ここ数年多い、サントリーパナソニック(旧三洋)の開幕戦、まずはサントリー31-26先勝した。
ここで、W杯と違う印象があるのは、ハイスコア同士の戦いであったこと。トーナメント戦でなく、シーズン初めでもあり、「勝たねばならぬ」の気持ちが希薄であっても仕方がないし、またトップリーグということで、今後の発展のためにアタック中心のラグビーに挑戦するのも結構、しかし、その結果が「アタック進歩して得点が増えた」のなら、歓迎すべきだが、「ディフェンス拙くて失点が多い」のなら、またもや下手なゲームを見せられていることであり、今回はまさに後者であった。
例えば、後半49分サントリーヒシが、ただまっすぐ走るだけで抜けて、繋いでトライなんてものは、昨年の三洋の失敗と同じで、トニーブラウンなきパナソニックのディフェンスは、穴だらけであるということ。また、サントリーも、後半パナソニックの反撃を食らうと、2トライを簡単に許すなど、攻められ易いということではないのか。
またスタッズでも、両軍のタックルミスが、サントリー16、パナソニック13と多く、そのほかペナルティがサ13-9パ、ハンドリングエラーがサ10-7パと、未成熟なチーム同士の戦いであることがわかる。

また、もう一つ疑問に思い、言っておきたいことは、アタッキングラグビーを標榜するなら、敵陣で貰ったペナルティをなぜショットしないで、アタックしないのかということである。特に今後、日本ラグビー界のコンタクトフィットネスをあげるには、ちょうど多くの各国代表来日し、各チームに入って激しく戦うトップリーグで、もっと激しく、厳しいコンタクトの機会を増やして、そのコンタクトに耐え得る力をつけるべきであり、特に、敵ゴール前での、モール、ピックゴーを含めたFW激烈な戦いに挑んで行くべきではないのか?
また今回のパナソニックが、ゲーム最後に、敵ゴール前に迫って逆転の機会があったにもかかわらず、トライを取り切れなかったのも、このゴール前の「トライ取り切り策」を、 激しいコンタクトを想定して準備出来ていなかったということではないのか。
そして、こういうことを、トップリーグで見せつけておいて、今の若者に「トップリーグでプレーしたいなら、また、ジャパンになりたいなら、激しく、厳しいコンタクトに堪えうる身体をつくっておかねばならない」と理解させておく必要があるのではなかろうか?

ただ一点良かったのは、サントリーの前半33分のキャリアーが倒れながらも、真後ろからサポートした味方にポップパスをしてトライになったもの、また、後半最初のトライもポップパスからチャンスになったもので、なぜサントリーが、こういうことが出来るようになって来たのかについて、気が付かねばならない。これも、私の昨年のブログのどっかに書いたと思うが、あることをやってきたから、その結果として、出来るようになってきたのではと考えられる。
それは、サントリーは昨年春から「アタッキングラグビー」をしようとして始めたが、最初ワイドアタックのままでやって3連敗した。そこで「ライン間隔を狭くして、ループ及びループショートなどの工夫多用するようになった。しかし、まだそのループなどは幼稚で、それだけではそんなに抜けないが、その副産物として「大きな変化」が、表れてきているのである。例えばループをすると、パスした後、必然的に「味方の真後ろに行かねばならない」即ち、サポートのカタチで、私が推奨(先日の過去記事サポートヒントでも書いているとおり)している「真後ろに行く」ことが自然と身についてきて、もしキャリアーが倒れても、真後ろからサポートしている味方がいるので、ポップ出来るということに、なってきているのではなかろうか。

今回のW杯でも、多くのトライはオフロードパスのつなぎがチャンスをつくり、トライにつながっていることは、指摘したとおり。そして外国では、まだ真後ろからサポートする「基本」が、ある程度守られている、ということではないのか。
しかし、現在の日本の若いプレーヤーには、この「真後ろにサポートする」という概念が、ほとんどない。私がアドバイスすると「横井さん、真後ろへ行けば、前へ走れないじゃないですか?」という子もいる。(笑)それから、コメントにもあったように、「そりゃ、状況によるでしょう」という人も多い。しかし問題は、もしこのことに納得し、真後ろに行こうとしても、小さい頃から離れた位置に
サポートする・悪い癖が付いた今の日本の若いプレーヤーは、身体がそう動かないのであり、知らず知らずに離れた位置にしか行けないため、キャリアーが捕まれば、行き過ぎてしまうなど、状況判断をするも糞もなく、真後ろへ行くことすら出来ないということになっているのである。
故に「ライン間隔を狭くし、工夫するというムーブをやった」ことで、この修正(真後ろへサポートの良い癖)が出来てきたという
ことなのではなかろうか。一度試されては、如何

関連記事
スポンサーサイト
NEXT Entry
全国中学生ラグビー大会開催
NEW Topics
㊻:ラグビージャパンの足跡
㊺:ラグビージャパンの足跡
さらに、コメントあり
㊙コメントあり
㊹:ラグビージャパンの足跡
Comment
Trackback
Comment form
 管理者にだけ表示を許可する
プロフィール

Yokoi Akira

Author:Yokoi Akira
横井章(よこいあきら)

ラグビークリエイター
現役時代は左CTB、ジャパン10年で17キャップ
    (当時は、キャップ対象試合が少なかった)

1968年、オールブラックス・ジュニアに勝利
1970年以降5シーズン日本代表の主将を務める
    (いまだに、歴代最長記録)
1973年、英仏遠征、日本ラグビー史上初の海外
     テストマッチ、当時世界最強のウェールズ
     と対戦、写真は、その時の幻のトライ
2000年、現場に戻り、100数チームにアドバイス

最新トラックバック
カテゴリ
検索フォーム
QRコード
QR