2010. 09. 09  
トップリーグで感動のゲームを見た。ヤマハーNEC戦である。
ヤマハには「矢富」が居るので、2年前からJスポーツで、トップリーグを見るようになってからも、ヤマハは機会があればチェックしていた。

矢富は、私が10年前現場に戻って京都成章高に押しかけアドバイスした際の高校2年生で、私が何も知らない高校生相手に「米沢藩の藩政改革をした上杉鷹山の故事」をあげて、「今日から日本のラグビーを変える、君達が火種となって日本ラグビー改革に邁進してくれ」と話をした時、おおかたの生徒は「何言うとんねん、このおっさん」という顔をしていたが、矢富だけは目をランランとして聞きいってくれていたのである。
そして、その後何かと質問に来たりして、「間合いとは?」など、よく話をしてやり「絶対ジャパンになって、横井さんを超えます」なんていう彼は、私にとっては、可愛い子であったのである。
そして大学進学の時は清宮に京都まで見に来させ、早稲田に進み、私が教えた生徒で初めてジャパンになったのであり、そして就職の際も、ヤマハと清宮サントリーで迷っていた彼に、「今後は自立してやるべきだ」とヤマハを勧めたものであった。
それゆえ、今回ヤマハが経営問題で「クラブ存亡の危機」に陥った際には、少なからず心を痛めていたのであり、そして、この春彼が結婚した際にも式に出席、今シーズンの活躍を大いに期待していると伝えたのであった。

そういう背景もあって、ビデオを見ていたのであるが、ゲームの入りは、NECペース、トライを2本先制されヤマハ0-14NECのビハインド、しかし、そこから徐々に盛り返して、NECのペナルティを誘い、なんと68分(後半28分のこと、最近はこう表現)までに、8本のペナルティゴールを、五郎丸が100%決めて24-14と逆転したのである。
私はFWがモールでトライを狙えるなら、ショットよりそちらを選択すべしという考えだが、FWが劣勢なら、まして50mを超える位置からも2本ほど決めた飛び道具の威力に、これもありかという納得であった。

そして69分にドラマが始まった。NECのキックオフを切り返し1分ほどヤマハが攻めたが、それをターンオーバーしたNECがその後2分間、ヤマハゴール前で攻め続けたのをヤマハが必死のディフェンス、この攻防がなんといまどき珍しく3分間も続いたのである。そして最後ヤマハが自陣22メートル付近でターンオーバー、そのラックから五郎丸が抜けロングゲイン、矢富につなぎ、矢富がその後数十メートル走ってインゴールに飛び込み、勝利を確定したのであった。
ところが、ゴールに飛び込んだ矢富が起き上がって来ないのである。「このリーグ戦初戦の勝利を確定した時、クラブ存亡の危機を乗り越えて残った部員36人全員の気持ちが乗り移ったかのように、万感胸に迫るのだろう。涙をこらえているのだろう」という様子が、見ていてもひしひしと感じられたのであった。
「矢富よかったな、お前には誇るべきチームがあり、誇るべきチームメイトが居るんや」と言ってやりたかったのである。
そして、この比較的易しいゴールキックを五郎丸が外すというオチがついて、ヤマハ29-14NECという結果であった。

イヤー泣けたなー。ラグビーというのは、このようにみんなの気持ちを背負って、全力を出し切る、そこに感動が生まれるのである。皆さんも楽しんで下さい。
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No title
横井さん、コンニチハ。「かつや」です。

私はヤマハvsNEC戦をヤマハスタジアムで観戦しました。

矢富選手がトライした時の盛り上がりは
物凄かったですねぇ。

試合を観戦した日は
久し振りの勝利でもあり
嬉しくて爽やかな気分でした。

翌日TVで再放送を見てましたら
矢富選手のトライに繋がる前の
ヤマハの必死のディフェンスを見て
涙が溢れてきました。

何と言いますか
心の臓をわし掴みされるような
このような感動は
ラグビー以外では味わえないですね。

ヤマハは頑張りましたね。
ヤマハを応援しつつも
NECに勝つのは難しいかなぁ
と正直思っていました。
相性もあまり良くなかったですし。

ポンポンと14点取られた時は
ワンサイドゲームになるのかな と
心配しました。

でも結果は29-14。
私のすぐ隣の人達が
横断幕を持って
五郎丸選手を応援していました。
たぶん会社の同じ部署の人達だと思います。
必死で同僚を応援している感じでした。

今まで以上に一体感のある
応援風景が多いように思いました。

それにしても
横井さんと矢富選手がそのような関係とは知りませんでした。
コリャ今まで以上に
ヤマハ&矢富選手を応援せんとイカンですね!

それでは。
Re: No title
今後も応援してやって下さい。よろしく、、、
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プロフィール

Yokoi Akira

Author:Yokoi Akira
横井章(よこいあきら)

ラグビークリエイター
現役時代は左CTB、ジャパン10年で17キャップ
    (当時は、キャップ対象試合が少なかった)

1968年、オールブラックス・ジュニアに勝利
1970年以降5シーズン日本代表の主将を務める
    (いまだに、歴代最長記録)
1973年、英仏遠征、日本ラグビー史上初の海外
     テストマッチ、当時世界最強のウェールズ
     と対戦、写真は、その時の幻のトライ
2000年、現場に戻り、100数チームにアドバイス

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