2012. 01. 30  
新しい読者に、ブログ開始時の記事を、再度紹介しています。
今回は201030日:「実際のアドバイスⅡ」である。


実際のアドバイスⅡを続けて、載せよう。
3.タックル練習  その1 (肩作り、姿勢作り)

①肩作り:スクラム・マシンに毎日10本、出来れば20本、肩を
  ぶつけよ。肩でタックルしても、痛みを感じない肩を、まず最初
  に作れ。

a.ぎゅーと握って「痛いやろ?」 A君、おおげさに痛がる。
  「この肩で、本当のタックルに行けるのか?
  痛い、恐いを克服できなければ、肩でタックル出来ない、
  痛いと思った瞬間は、プレーできない」

b.横井コーチ「自分の肩を握ってみよ。」、「力入れてんのか?」
  A君「入れていますよ」と口を尖らせる。横井「痛くもかゆくも
  ない」

c.試しに、あとで横井コーチの肩を、握らせて頂いたが、左右
  ともに、全体がカチンカチンで、全部が骨で出来ているかの
  ように、厚く固く、分厚くなっている。相手の脚の方が折れて
  しまいそうな肩である。

d.自分はこの肩を、大学に入って最初の一ヶ月で作った。高校
  時代はバスケットボールの選手だった。身長が低く163cm
  大成は期し難かったので、兄もやっていたラグビーを始めた。
  名門・早稲田大学で、未経験者が試合に出るためには、先ず
  タックル出来ることが不可欠。当時スクラム・マシンはなく
  硬い板(薄いパッド張り)に自分の肩を、毎日何十回と
ぶつけて、この肩を作った。

  一ヶ月でカチンカチンに、一旦固くしたら死ぬまで変わらない。

<しかし今の若者に、無理をさせてもいけない。先ずはペットボトルに水を入れて叩けと、言っておいたら、それだけでも
肩鎖関節を壊したという生徒がいたので、自分のペースで、程度を考えてやれと、言っている>


e.FWのタックルは相手との距離が短く、スピードも出ていない。
  スクラム練習で姿勢も出来ている。短い距離の肩あたりで、
  肩を作ればよい。

f.バックスの肩作り
  バックスは違う。相手との距離が離れており、相手のスピード
  も速い。強い肩をまず作る必要がある。
  スクラム・マシンから比較的遠く離れて、遠い距離から強く
  当たれるように、また同時に低い姿勢が保てるように練習
  せよ。
  その際、よく頭を挙げて前をちゃんと見て、すき間に正しく
  顔が入るように背筋を伸ばし、腰と膝を低くするように、注意
  して練習せよ。(走って来て、入るのも一方法)

g.タックルも結局は「馴れ」である。 やったことがなく、肩や
  身体が出来ていないから怖いのであり、練習すれば、怖くなく
  なる。

②姿勢作り:1対1でのタイトスクラム姿勢で姿勢の練習。

a.最初はヒザをついてやるとよい。出来たら膝を浮かせてやれ。

b.2人で押し合いをせよ。バックス同士でも、皆でやるとよい。

c.背中を伸ばす。背中を丸くせず、逆反りになるようにすると
  よい。フロントローに教えてもらうとよい。

d.長老OBは「低く行け」と精神論のみ言うが、タックルの
  できる体になっていないのに、できるわけがない。タックル
  をできる肩、できる姿勢を先ず作れ。

e.タックルは、自分が前に出て行って、スピードに乗ってやる
  方が楽だし、効果的である。前に出るタックルをやらない人
  は、ほかの技術があっても、ゲームに出さないようにすれば
  よい。

4.タックル練習  その2 (2人一組での練習)
  小さな土俵のような3mx3m程の四角いスペースに中で、
  一人が球を持って走り、一人が生タックルをする練習。

a.手で当たらず、肩で当たれ。
  得てして手や腕あたりで当りに行く人がいるが、肩で行け。

b.タックルポイントまで、肩で行くことを体で覚えよ。
  手を背中で組んだまま使えないようにし、直接肩で行く感覚
  を覚えるとよい。

c.成功体験を持たせて欲しい。うまく倒すと、だんだん自信が
  出来てくる。 倒される側も、倒す側に成功体験の喜びを
  持たせるように配慮せよ。例えばパスが上に来て身体が伸び
  腹を空いた状況で、タックルをしやすくするなどしてやれ。

d.タックルポイントについて。
 ・間合い:(敵との距離)ある一定の間合いまで詰めれば絶対
  抜かれない。
 ・姿勢:低い姿勢で膝と腰を落とし、頭を上げる。
 ・敵の走力との差:敵と自分の足の速さでタックルポイントが
  決まる。

e.肩で当たった後の腕、手によるバインドが重要。ちゃんと
  パインドをすれば相手を倒せる(自分で自分の手を握れれば、
  かっちりバインドできる)。肩で当たったら、次に手で締め
  あげよ。

f.体の重心の位置。
 ・重心が後ろの人がいる、これダメ。重心は前に持って行け。
 ・立ち止まるのもダメ。ショートステップ(小刻みな足踏み)に。

g.1発目は下、2発目は上。始めのタックルは低く。これが
  難しい。成功体験を積め。続く人はボールに行け。
  <今2010年ルール変更あり、留意のこと>
   
h.前に出るタックルをせよ。前に出れば、数的優位を実現
  できる。一瞬にして15人:7人になる。相手のFWを全員
  Off Sideの位置に置くことができる。
   
5.タックル練習  その3 (ラインでのタックル練習)

攻撃側:Backs 3人
守備側:Backs 3人+FW 3人 (ハーフのそばで地に伏せている)Ball In で跳ね起きて、守備側のフォローに駆けつける。

a.最初は、攻撃側と防御側のラインの間隔を短くし、スピードも
  そう上げずに行い、成功体験を覚えさせよ。

b.前に出るタックルをせよ。相手との間合いを縮めよ。つぶしに
  行け。間合いを先に縮めた方が、相手のスピードが上がらず
  有利になる。

c.Backsが前に出るタックルをするとFWのフォローが楽になる。
  「そうだな?FW?」(FWうなずく)
  「Backsよ、やったれや。判ったか?」
  
d.前に出るタックルをすると、Defenceで押し上げることができ
  数的な優位をキープできる。下がりながらのDefenceは止める
  ことが出来てもゲインを切られ、敵は加速ラックとなり、結局
  は数次のディフェンスを余儀なくされて、効率的でない。

e.3段走について
「走り始めからタックルするまでの3つの区分」
・初速は高めよ。⇒相手との間合いを詰める方が得である。
(防御側のラインの後ろに、もう一列付けてジャージを後ろから
 引っ張り、急に離して初速が高まるようにする)
・次いで、前を見、状況をよく見よ。⇒スピードは緩める。
・敵が抜いてきたら、速度を上げてタックルをせよ。
 (3段階のスピードの変化、急緩急、初速はTop Speed、前を見るときはTopの8割程度のスピード、タックルし相手に当たる時はTop Speed)
  
f.数を読め
・敵味方の人数の差をよく見よ。人数差から対応を瞬時に判断
 すること。
・敵が4人、味方が2人なら出るわけにはいかない。しかし敵が
 5人、味方が4人なら前に出れるのでは、、、
 練習により判断のこと。
・外側にいるウイングがよく見える筈だが、ウイングだけでなく
 全員がよく見て声を出し、どれのディフェンス(「詰め」か
 「アップドリフト」か)で行くか、言い合え。
 (そして、それが一致して行くように、、、)

6.Defenceの練習方法

①Pillar Defence (二次以降のの防御)

a.15-15で連続ディフェンスをやる。一方に、ゴールから
 ゴールまで攻めさせ、ターンオーバーできても、また敵に球出し
 させ、100mを何分間、守り続けられたか?をやってみる。

b.ピラーは3人確保することがベスト。しかし、連続する中で、
 またいろいろな状況の中で1、2人の場合なども、どういう役割
 分担にするのかも含め、これから6ヶ月の伸びしろも考えて、
 「??校ピラー」の基準を作ること。

c.ここで重要なのは声を出すこと=コミュニケーション。
・俺はコイツに行く、というNominateである。
・何ディフェンスなのか(「詰め」か「アップドリフト」なのか
 「ターンオーバー狙い」か)、チームの意思を統一せよ。
・「まかせ」「内見ろ」など、指示を言え。

<以上、ディフェンスについては、最近のプレーヤーは、小さい時からドリフト中心に行われているので、また5メートル下げられているので、さらにまた究極のシャローディフェンスは今の若者の身体能力では無理なので、ディフェンスシステム的には、個々の現場コーチに任せている。但し、「肩で行く」「低い姿勢で行く」「初速」「3段走」「タックルポイントのつかみ方」などの基本は、変わらず生きている筈、「それにこそ
拘れ」と教えている>


次回は、実際のアドバイス・アタック編を、載せよう。


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プロフィール

Yokoi Akira

Author:Yokoi Akira
横井章(よこいあきら)

ラグビークリエイター
現役時代は左CTB、ジャパン10年で17キャップ
    (当時は、キャップ対象試合が少なかった)

1968年、オールブラックス・ジュニアに勝利
1970年以降5シーズン日本代表の主将を務める
    (いまだに、歴代最長記録)
1973年、英仏遠征、日本ラグビー史上初の海外
     テストマッチ、当時世界最強のウェールズ
     と対戦、写真は、その時の幻のトライ
2000年、現場に戻り、100数チームにアドバイス

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