2012. 10. 10  
昨日の続きで、Sさん返信を記載して行こう、、、

<Sさん : お世話になります。本内容が、今回のブログのテーマとズレてしまっていること、お許しください。「心に響いた言葉」というテーマでしたよね。横井さんから質問いただきました『文治の「突いて→放す」というのは、「ディフェンスに仕掛ける、或いはスペースをつき、こちらを向かせて、味方にパスを放る」ということですか?』についてですが、横井さんに、お察し頂きましたとおりの意味です。
横井さんには、「突いて→放す」という言葉だけで、そのすべてをご理解頂けましたが、一般的に、この表現の説明を文章にして、書き記し、理解いただくことは容易ではないかもしれません。おそらく、訓練を受けたことのある人間にしか、理解のできる言葉ではないのかもしれません。少しだけお話をさせていただきますと「突く」ということに関しても、単純に「前に仕掛けろ!」「ラインは流れるな!」ということだけを意味するのではなく、まず、相手DFがどのような出方をしているのかの状況確認から始まり、その状況(DFの人数が合ってるのか、合っていないのか、前に出てくるのか、抑えているのか)により、細かい判断が必要になると思います。そのDF側の状況により、当然 DFの出方も変わってくるでしょうし。判断基準は、以下の整理によります。
間合いがない場合:タメた状態から前へ出る
間合いある場合:相手との間合いを詰めるために前に出る(+ラインの深さ、浅さもありますが)
この「突く」という動作があって、相手DFがボールを持っている選手を見る→引き寄せられる。そこで、面で抑えようとしているDF側に、ブレ、ズレ、段差が生じてくる訳です。そのDFラインの小さなギャップが発生したところに、パスを「放す」→味方の選手が走り込むと、スレ違いのプレーが成立する訳です。
ただ、この動作を10回やって、10回スレ違って抜けることなど通常はあり得ないことで、大切なことは、体勢が優位な状況で、接点を作る、サポートを待つ、そして、ボールが優位に継続できる、ということに結びつけることだと考えます。その動きを継続することで、次のパターンとして、カットアウト、エキストラ、裏通し、外ループといったプレーが有効的になってきて、相手との駆け引きにおける選択肢の幅が、広がっていくものだと思っています。また、「突いて→放す」に付随する内容として、パスの基本動作として「取る→見る→投げる」という言葉も、何百回も言われました。
この内容は、やはり、横井さんの言われていたソニー・ビルの話と同じなんですかねぇ?彼の場合、プラスアルファとして、雰囲気的な威圧感のようなものも加わっているのかもしれません。もし、同じであれば、学生時代にすでに、島崎文治の訓練に基づき、ソニー・ビルより先にその技術を習得していたかもしれません(笑)
基本的には、横井さんの考え方の整理は、島崎文治氏に継承されているということが、先日わかりましたので、きっと同様のことなんですよね。横井さんに対して、厚かましい内容であったかもしれませんが、せっかくの機会でしたのでメールをさせていただきました。横井さんの意図とピントがズレていないのであれば、ブログにコメントしていただいて構いません

横井注:要するに、このような「基本」は、残っているところでは残っているのであり、昔から変わりようもなく正しいのである。しかも、こういうスキルは、現代のラグビーにおいても、持っていれば有力な武器となり、さらに複数人で連携して出来れば、戦術的にも飛躍的高度なムーブを構成することが出来るものなのである。しかし、いまの日本の多くのチームで受け継がれ、実践されているかということについては、少々さびしい状況ではなかろうか?なぜ、そうなっているのか?どうすれば、こういうことを正しく伝えることが出来るのか?を、よく考えて頂きたいのである。



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プロフィール

Yokoi Akira

Author:Yokoi Akira
横井章(よこいあきら)

ラグビークリエイター
現役時代は左CTB、ジャパン10年で17キャップ
    (当時は、キャップ対象試合が少なかった)

1968年、オールブラックス・ジュニアに勝利
1970年以降5シーズン日本代表の主将を務める
    (いまだに、歴代最長記録)
1973年、英仏遠征、日本ラグビー史上初の海外
     テストマッチ、当時世界最強のウェールズ
     と対戦、写真は、その時の幻のトライ
2000年、現場に戻り、100数チームにアドバイス

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