2012. 10. 17  
今日は「決まった道はない、ただ行き先があるだけだ」という言葉について言おう。これは、北海道に赴任した、ある野生動物の獣医が「野生の大鷲」の絶滅を防ごうと奮闘した時の話。

彼は赴任してすぐに、大鷲が死んでいく原因が、ハンターが鉛の弾丸を使って鹿を倒し、その肉をついばんだ鷲が鉛中毒で死ぬのを突き止めた。
そこで、ハンター鉛玉を使うのをやめるよう呼びかけたが、ハンターには有利な安い鉛玉を使うのを、やめてくれなかった。そうしたある日、ロシアのサハリンに野生動物の生態研究に行ってタクシーに乗った時、あまりのひどい道に車輪が埋まり、自分も手伝って抜け出すなどの難行となり、運転手に「大変だね、いつもこうなの?」と声をかけた時、運転手が「いつもこんなものさ、どこへ行くにも決まった道はない、ただ行き先があるだけだよ」と言ったというのである。

その時、獣医はハッと気付いた「鉛玉の使用禁止を呼び掛けるのに、自分は何が出来るか、考えたのか?」「行き先はある、そこに行きつく手だては、本当にないのか?道はつくれないのか?」と、そして、日本に帰った彼は、鉛中毒の実態をスライドにして、北海道の学校をめぐり、「鉛玉の使用禁止を訴える講演」をして回ったのである。

すると、ある時見知らぬハンターから「この間、息子に『まさか、お父ちゃんは鉛玉使ってないよね』と言われて、使うのをやめたよ」と言ってくれたのである。その後「鉛玉使用禁止の規則」もできたという。

これも、ラグビーで言えば、「チームが勝ちにいくには、決まった道はない。ただ『勝つ』という目標があるだけで、道は自分でつくるものだ。だからみんなで考えよう」とは言えないだろうか?

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プロフィール

Yokoi Akira

Author:Yokoi Akira
横井章(よこいあきら)

ラグビークリエイター
現役時代は左CTB、ジャパン10年で
17キャップ(キャップ対象が少なかった)

1968年オールブラックス・ジュニアに勝利

1970年以降5シーズン代表主将(歴代最長)

1973年英仏遠征、日本ラグビー初の海外
テストマッチ、世界最強のウェールズと対戦
上の写真は、その時の幻のトライ

2000年現場へ戻り、100数チームを指導

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