2017. 09. 07  
ちょうど、『ディフェンス』の話をしていたところで、読者から「その見本となる、1968年NZ遠征中の全日本の映像」が、このブログのコメント欄に、URLとともに提供ありました。映像を見たい方は、9月2日のコメント欄を確認方。(私の回答は6日だが、URL2日のコメントへの回答のところにあり)

この映像の対戦相手は、『NZ学生選抜』ですが、BKのプレーヤーは、本物のオールブラックスで、我々が、 遠征中に勝ったオールブラックスジュニア(このゲームの映像は、未だにNZ協会が出してこない)のBKよりレベルが高かったチームです。

当時のルールでは、スクラムのオフサイドラインは、まだ5m下がっていなかったのですが、ラインアウト10m下がっていた筈、それでも2CTBで、敵のパスをインターセプトするほど前に出た究極のシャローディフェンス』をしていたことが、わかって貰えると思います。またアタックでも、『フラットなラインでのサイン・カンペイなどで、数々のトライチャンスを創り出していた』
ことも見れるものです。

そして、この『全日本のオリジナルスキルフルなラグビー』は、目の肥えた・地元NZラグビーフアンをも感銘させて後々まで語り継がれ、また、その後のNZラグビープレーヤーにも多くの影響を与えた・ゲームの映像なのです。


2017. 09. 06  
低い姿勢で、肩でタックルが出来る』ようになれば、次は『ディフェンスでの追い込み方 ・ システム』の問題であるが、これがまた「変なのが多い」のである。
たとえば、敵より走力も、体力もないのに、日本中のほとんどのチームが、 「アタッカーの内からスタートして、敵を見てから前に出るという追い込み方」をしているのを見かける。

「走力の劣る者が、 内側から追えば、ちょっと、 フェイントでもかけられると、簡単に外を抜かれる」、「また、一瞬でも見れば、敵よりスピードが出ずに動きについても先手を取られて主導権を握られる」、さらに、「自分の対面がパスをすれば、すぐズレて次の敵に行け」と言われる。
すなわち、「難しい事ばかりせよ」とコーチに言われて、実際には、実現できないディフェンスをしているのではないだろうか。

それは、走力の劣る者走力に勝る者ある一定の間合い以上のところで、内から追っていては、『走力差』で、絶対に抜かれるのではないか。
エネルギーは、重量×速さの二乗、ゆえに、小さい者が大きい者に、敵より遅いスピードでタックルに行っても、倒せられないのではないか。
上記のように、一対一でも止められないのに、さらに、 「二人目にもタックルしろ」と言っても、止められるわけがないのではないか。

この道理に合わない ・ やり方では、何フェイズディフェンスをさせられた上に、最後に突破されるのは、目に見えているのではなかろうか。
それでは、どのような追い方をすれば、『ディフェンスできる』のだろうか?


2017. 09. 02  
15人制ラグビー』をやるにあたり、もっとも重要なのは、この『正確な低い姿勢』と、 『肩で当たるタックルが出来る』こと。なぜなら、これが出来れば、アタックでも『肩で当たった胸の下で両手でボールが保持でき、パスなどあらゆるツナギが出来る』からであり、またラグビーでは避けることが出来ない『コンタクト』を、全身の力を結集した一番強い形の『肩で当たる』ということが、ブレークダウンなど、あらゆる場面で、活用できるからではなかろうか。

若い指導者が、この『基本的な動作』を、「最近の若いプレーヤーは、『低く行け』と言ったら、頭が下がって危険だから、『低く行け』と言わないんです」と言い訳するのは、本末転倒も甚だしいことではなかろうか。
出来ない理由を探すのじゃなく、また若いプレーヤーに妥協するのじゃなく、「命にかかわることだから、出来るようにしなければならない」と諭すとともに「どのような練習方法を提示すれば、練習する気になってくれるか」を必死に考えて、彼らが納得して『やる気を出す訓練』を生み出すのが、指導者としての『知恵の出しドコロ』ではなかろうか。

こんな時、私は一つのやり方として、『彼らに今まで経験したことのないような、スピードで当たる』ということを、少々挑戦するような気持ちが要るけど、『遊び』のような形で『楽しく試せるような訓練』を、推奨するようにしている。
是非、工夫してほしいものである。


2017. 08. 31  
前回は抽象的な表現で、わかりづらかったと思うので、もっと具体的な話をしてみよう。たとえば、いまの日本の高校生ディフェンスを教える場合、どのように教えれば、良いのだろうか。
まず問題はラグビースクールの経験者などが増えて来て、逆に「変だなー」と思うのは、ラグビーで最も重要な『基本的なタックル』でさえ、正確に出来ないプレーヤーを見かけることである。

基本的なタックルとは、姿勢は「スクラムマシンに入る形・足首、膝が曲がり上半身が地面と平行になり、顔は上げて前を向いた状態で、マシンのパッドの間に首を突っ込み肩で当たる状態」を出来るようにする。この姿勢を出来るようにする鍛錬法としては、『タイヤ押し』がある。
また、肩で当たるには『肩を造る(肩で当たれるよう強くする)』必要がある。そのためには「ウェイトトレーニングや鉄棒の懸垂」などで「筋肉をつける」、その上に、「当たりに強くなるために肩を水の入ったペットボトルで叩くか、硬いものをパッドで包んだようなモノ(電柱とまでは言わないが、それ相当なモノ?)に当たって強くする

この段階で、「これらの訓練を嫌がるプレーヤー」や、「どうしても姿勢が出来なくて、頭だけが下がって行くプレーヤー」については、次のような『理想のタックル』を、スローモーションで成功体験させる。
すなわち、正対したアタッカーに、高めのボールを放り、それを捕るために突っ立って腕をあげ、 腹が全く無防備になった状況に、ディフェンサーが、目線は太腿低い姿勢肩で腹にタックルすると、痛くもなく、肩に全身の力を集めて当たることが出来る『理想のタックル』が出来る筈。
これを、経験してもなお、タックルを練習することが嫌いなプレーヤーには、『タックルのないラグビー・タッチラグビーをやるべし』と、推奨すること。

要するに、「基本的なタックルが出来ない」、或いは、「しようとしないプレーヤー」に、『15人制ラグビーをさせては、イケナイ』のである。


2017. 08. 29  
さて話を「ラグビーの本質論」に戻して言えば、『ラグビーは、人間の全能力を駆使して戦う、複雑多岐に亘る、高尚なスポーツである』ということを、いま一度、肝に銘じて頂きたいのである。

その『戦略、戦術』は、人間の身体、および身体能力の使い方のみならず、その能力伸長のための『鍛錬』に科学的アプローチを必要とし、さらに15人という一番多人数で行う『ボールゲーム』であって、その『コンビネーション、コミュニケーションの修得』にも深い信頼関係の構築が必須であり、その上種々の戦法を論理的に煮詰めていったとしても、最後に、それを実践するのは、『プレーヤー』であり、その各人への『論理の落とし込み』を完璧に行なっても、個人のみならず全員の『メンタル面でのフィルター』がかかって、理論通りに成し遂げられるとは限らない、誠にもって『御し難き ・スポーツ』なのであります。

故に、この競技自体への取り組み指導方法醸成において、各国の文化民族の習性などを色濃く反映した、『ありとあらゆる独自性のあるやり方』が実践されている筈ではなかろうか。

しかるに今の『日本のラグビー現場での指導』は、『諸外国の訓練の単なる模倣』の域を脱しておらず、「その練習を何のためにするのか、その方法は日本のプレーヤーへの指導に向いているのか自チームの戦略、戦術を落とし込むのに合致しているのか」ということなどへの「深い洞察」がなく、『見当違いの訓練を行っている』ようにみえるのではなかろうか。

少なくとも、日本のチームの指導者に心掛けて頂きたいことは、「自チームが、実際の対戦相手に対してゲーム中にやることを、練習させるべき」であり、その練習方法自体を、自チームプレーヤーとともに考え、『自チーム独自の練習方法』を、創り出すべきではなかろうか


プロフィール

Yokoi Akira

Author:Yokoi Akira
横井章(よこいあきら)

ラグビークリエイター
現役時代は左CTB、ジャパン10年で17キャップ
    (当時は、キャップ対象試合が少なかった)

1968年、オールブラックス・ジュニアに勝利
1970年以降5シーズン日本代表の主将を務める
    (いまだに、歴代最長記録)
1973年、英仏遠征、日本ラグビー史上初の海外
     テストマッチ、当時世界最強のウェールズ
     と対戦、写真は、その時の幻のトライ
2000年、現場に戻り、100数チームにアドバイス

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